2012年12月28日金曜日

いすとりゲーム

 なんとか年賀状を書き上げて、地域の郵便局本局にむかう。腹はコーヒーでぱんぱん。

 が、郵便局のある繁華街に近づくと、もう、あきらかにいつもと様子がちがう。

 本線も支線もみっちりとクルマがつまっとって、身動きできんぐらいになってた。すごい大渋滞。

 郵便局のまわりはとうぜん特にひどくて、局に出入りする大小の郵便車もまじえてセメント状態。郵便局をぐるりと囲んだクルマがぜんぶ局に用があるわけじゃあなさそうだったが、駐車場はまんぱい。駐車場前は二重駐車状態。駐車場前が。

 では、もう一周、とクルマを動かすが、のろのろとしか進まない。じりじりと自分の行きたい方向に進もうとするクルマで、交差点はお見合い状態。

 もうクリスマスもすぎたこの時期、少しでも早く着くよう、とにかくこの本局に年賀状を出して帰るしかない。ちゃんかちゃんか音楽が鳴ってるあいだぐるぐる回って、止まったらイスを奪いあう、イスとりゲームのような気持ち。この場合は、ぐるぐる回ってて、ちょうど駐車スペースの前にたまたま来たときに、たまたまクルマが出たら自分入れます(駐車できます)、ゆうこと。

 十周でもとめられるまで回るしかない、とか、5〜6周回ってダメだったら有料のとこにとめようか、などと考えながらゆるゆると回ってくと、ラッキー!、2周目で駐車場に入れた。

 サンドイッチマンのように、年賀状を入れてもらうためのでっかい袋を首から下げた局員さんが二人、あたふたと駐車場を出たり入ったりしながらなんとかしようとしていたが、なにせクルマが多いんだから、なんともなりまへんがな。

 まだ28日なのに、世の中、もう大晦日へのカウントダウンははじまっとるようだった。

 それより、年賀状が元旦に届かんといけんと考えたのは、いったいだれなんだ? クリスマス前に、"旧年中は"とか、"新年"とか書くのって、へんじゃね? せめて大晦日ぐらいじゃないと気持ちこもらんなあ。

なぎさの喫茶にて

 レストランかもしれないが、いすわっている。かんぺきな、いすわりであります。

 コーヒー飲めてタバコが吸えて、おまけにどよーんと曇ってはいるが、窓が海にひらけてる。絶好の場所ですな。
 雨は小ぶりになり、海もときおり見えてた白い波が消えて、おだやかな顔に。

 で、なにやっとるかいうと、年賀状。

 べんりになって、両面がパソコンから印刷できるんじゃけど、さすがにそれだけじゃあ色気がなさすぎるんで、きしゃない手書き文字でひとこと添えている。

 どうでもいいような一言なんじゃけど、年に一度の、生存のお知らせであります。

 "まだ、生きてるぜい"

2012年12月26日水曜日

つきのひかりと

 仕事から帰ってちょうど家に入るときに、うちの前を、横顔のきれいなお嬢さんがてくてくと通っていった。ずーっと空を見上げていた。

 そのあとすぐに灯油を買いに外に出た。

 きんきんに空気が冷えててさぶい。"くー"だの、"はうー"だのうめきながらポリタンを持って歩いた。

 なんのきなしに、さっきのお嬢さんの見上げてた方角をふり返ると、月がものすごくきれいだった。満月ではないが、真っ白なひかりがまぶしいほどだった。おまけにほんのすこし右上に、これまた真っ白にまぶしくかがやく星があった。

 ほーか、これを見よったんか、と思った。

 星座やら星の名前やら、いっそわからんなあ、残念。あれはー、金星?

2012年12月20日木曜日

ちょこ

 夕飯前のお茶用にと、妻がドーナツを買ってきた。

 ご飯前だろうが夕方家族がそろったら、ジュースやコーヒー出しておやつを食べるのが、いつのころからかの習慣になっている。6時だろうが7時だろうが、ご飯食べたいと文句ゆうやつはいなくて、"お茶しよう"という。

 ドーナツとり皿にとってフォークで割って食べていたら、ずるっとドーナツが動いて、左手の親指にあたった。

 チョコがついたのが見えたんで、ぺろっと親指をなめた。ゆうか指先を口に入れてなめた。

 すると、なんかへんだわ。で、口から指をはなしてじっと指先を見ると、チョコぢゃなくてチマメですやん。

 りょう親指の先っぽにできた、例のチマメじゃった。だれにも言わずに、へっとひとり笑った。

2012年12月13日木曜日

ちまめ

 「マメはマメでも、食べられないマメ。なーんだ。」

 「こたえ、"ちまめ"。」

 「そーか、"ちちまめ"なら食べられるもんな。」

 ・・・。ちゅう下ネタはどーでもよくて。両手の親指に血マメができている。親指の爪先のへんに、そりゃもうみごとな左右対称の位置にできてる。

 いつ、なんでできたのか、まったく覚えがない。なんか痛い、と思ったらできとった。

 これがまた、絶妙な位置にできとって、なにをやってても、痛い。

 つい、ものを持っても痛い。はし持って飯食っても痛い。仕事でキーボード打っても痛いし、風呂でタオルをしぼっても痛い。

 ついでに、おなじときにやったと思うんじゃけど、右親指の腹の皮が割れている。刃物で切ったようにばっくりと。おかげで、トイレに行って手を洗うときも痛い。

 痛くてガマンできんほどじゃないが、ちょい痛いことで、じりじりとなんかがたまってゆくような、ぎゃくになんかが削れてってるような。

 きれいな左右対称の位置といい、ひっぱりで割れたと思われる傷といい、偶然どっかにはさんだとかじゃなくて、なにかを、"自分で"、いっしょうけんめいやったからだと思うんじゃけど、思いあたることがない。血マメができるぐらいだから、よっぽど力いっぱいなにかをしたと思うんだが。

2012年12月11日火曜日

わからんのに さわったらいけんて

 アイドリングが異様に高くって、ゆううちのクルマ。

 "一本いっとく?"ゆうて、ほんまにキャブクリーナーを一本使いきったら、ますます回転があがってしもうた。

 これはキャブ調整とやらをすりゃあええのでは?、と思って締めたりゆるめたりしていたネジが、アイドリング調整のではなくて、混合比のネジだった。たしかに回転は上がったり下がったりしたが、どーりでゆるめすぎてひっこ抜けたらエンジン止まるわけだわ。

 仕切り直しで混合比とやらを調整したら、えらい元気よく回る。さらに元気よすぎ。アイドリング調整のネジをゆるめきって、部品とすき間があくぐらいにしたが、アイドリングは十分には下がらず。

 ちなみにアイドリングのネジを締めたらどうなるんじゃろう?、と素朴な疑問を持ってしまったのが運のつき。エンジン大暴走でイグニッションでも切れねへ、ちゅうのをもっぺんやらかしてしまった。

 はじめてじゃないんで、ぶっこわれて部品飛んでくんなよ、と祈りながら運転席に行って、チョークをえいやっと引いて止めた。

 休みのたびに、そうだ、あれやれば…とかっていろんなとこいじってしまったが、もうわけわからん。工場の空きができる1月までこのまま乗るしかないかも。ガスケットぐらい買(こ)うとくか。

 走ってるときにポロっとなんか落ちて直らんかいな。さきにゆるめすぎのアイドリングのネジ締めとかんにゃあ、そのネジ落とすな。振動で。

2012年12月10日月曜日

かえれない クニ

 サンタの衣装を赤白にしたのは、コカ・コーラだそうな。

 その赤白サンタがマチにあふれるようになると、いつも思い出す映画がある。そうして、目のおくが熱くなるぐらいに、悲しいきもちになる。

 "コカコーラ・キッド"

 時代にそぐわず、世界にそぐわない、独裁者が統(す)べる奇妙なユートピアが、映画の中でえがかれる。

 そのユートピアが、合理的で、力強くつねに前進する、そして傲慢な、自由主義・資本主義の社会と接触する。

 傲慢な自由主義・資本主義が、奇妙なユートピアにシンパシーをいだき、奇妙なユートピアは、時代に流されたわけでなく、自由主義・資本主義にも理解をしめしたように近づき、ふたつの社会は接触する。

 異なるものの、幸せな共生がはじまるかと思われたが、奇妙なユートピアは、はげしく炎をあげるかたまりになり、一瞬で消えて映画は終わる。ものにふれたシャボン玉が、ポフッと消えちゃうように。

 映画を作った男は、自分をいられなくした、自分を異郷へと追いやったクニを、それでも愛していたのだと、勝手に自分は思っている。条件つきの愛ではなくて、独裁者の統べる奇妙なクニのままで。

 男はクニに帰り暮らすことはなかった。なぜなら、そのクニは世界から消えてしまったから。

 その男の名は、"デュシャン・マカヴェイエフ"。そして、独裁者が統治していた、奇妙なユートピアの名は、"ユーゴスラヴィア"。

2012年12月9日日曜日

なぎさの 公園にて

 やあ、こんにちは。きょうぼくは、渚の公園に来てるよ。
 天気はいいけど、風がつよくてさぶいね。ずっとさぶい駐車場で、お仕事をしてたんだ。

 いまは休憩中。レストランでお昼を食べて、coffee飲んでタバコ吸って、くつろいでるよ。

 昼前から来て、クルマのキャブ掃除の作業を2周分やったよ。白煙もくもく出して、ばんばんエンジン回して。においもすごいと思うぞ。

 めいわくだね。冬の公園がヒト少なくてよかったよ。がらんがらんの駐車場のはじっこに止めてんだけど、やっぱ遠慮あるから、あたらしくクルマが駐車場に入ってくるたびに、来(く)な、こっち来(く)んな、と呪文をとなえないといけないね。

 エアクリーナーはずしたキャブに、スプレーでしゅーするんだけど、気分は殺虫スプレーで見えない虫を根絶やしにしようとしてるみたいだね。

 いまはボンネットをしめてるんで、はだかのキャブには軍手がはめてあるよ。ボンネットのサビがはいっちゃあ困るからね。

 キャブクリーナーは、でっかいスプレー缶で400ccいじょう入ってたけど、もうのこり半分切っちゃった。がんばったね。

 でも、アイドリングの回転が下がんないのは…、直んないね。ダメだね。

 んー、ちょっとつかれてきたね。だからいま、むりくりにテンションをあげてるよ。おっさんがみぐるしいね。

 あと1周分しゅっしゅの作業をしたら、きょうはもう帰るよ。

 いっしょうけんめいやっても、だめもとだし。おうちに帰ったら、家の仕事が待ってるよ。おじさんって、いそがしいんだ。

 じゃあね。

2012年12月7日金曜日

一本いっとく?

 クルマの調子が悪いです。

 ちゃんと始動もするし、いちおう加速もするし、ブレーキも直ったし。

 んじゃけど、アイドリングが高いまんま。チョーク戻してももどんない。ちょっと前までは、いっぺん、思いきし回してやったら下がりよったんじゃけど、いまはもうだめ。

 キャブレのかた鼻がつまったまんまで通らないらしい。いぜんは、"体があったまったら鼻が通る"状態だったみたい。

 キャブクリーナーを何度か吹いて、あと白煙が出んくなるまでアクセル吹かしまくる、ゆうのを何度かやったがダメですな。

 いつも世話んなってるクルマ屋さんにも相談したが、もうキャブの分解か交換しかないかも、と言われた。

 交換だと部品代だけでも結構かかりそうじゃし、分解するにしても交換するにしても、あとの調整がめんどそう。おまけに工場の空きは1月の中旬までぜんぜんないそう。

 ちゅうわけで、根性を決めた。1月の半ばまでは、キャブクリーナーを吹き続ける。もう、キャブクリーナーのスプレーを一本まるまるつっこむつもりで。

 作業中は、音、けむり、においがすごいことになるんで、ひとけのないとこでしかできない。きょうは、なぎさの公園(の駐車場)、あすは街はずれの埠頭、と。

 けさも遅番だったんで、早朝の埠頭に行って一回やってきた。ボンネットあけてエアクリーナーはずして…、だいぶなれてきてしもうた。

 けっきょく今回は効き目はなかったけど、延々やり続けりゃあ、なんかのひょうしに鼻が通るかも、と自分に言い聞かせてるのであります。

2012年12月5日水曜日

”九井諒子作品集 竜のかわいい 七つの子” 九井諒子 著

 至福の、七つのおはなし。

 ずーっとリアルタイムで追いかけているヒトは、首をながくして待ち続けて、やっと出た単行本じゃったんじゃろうけど、自分はつい最近に九井氏を発見したばかりなので、はやくにつぎが読めてラッキー。で、じりじりと2年ぐらい待つことになんでしょうね。

 前作と同じで、短編ばかりが七つなんじゃけど、自分と異なるものやあいいれないものと向きあったときに、どのような態度をとるんか?、ゆうような話が多くて、その健康的な態度・視点に感動する。

 架空のお話、ファンタジーなんじゃけど、決して甘くはなく、むしろ過酷だわ。"地に足のついたファンタジー"てな紹介のしかたがあったけど、納得ですわ。

 前作とちがって心の準備があって読んだんで、衝撃はなかったけど、文体と内容の、その変わらなさに心ふるえました。

 絵はたんにべらぼうにうまいだけじゃなくて、必要に応じて、ごく自然に変幻自在。山田章博氏のようにも、須藤真澄氏のようにも。

彼女が絵師、画家ではなくて、マンガ家ゆうことがとてもうれしい。絵は言葉の説明ではなく、その逆でもない。ふたつの相互作用が日本のマンガ。

 ニッポンに生まれ、母語でこんなマンガが読めることは、幸せだと思う。






  "九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 "
  ビームコミックス
  九井諒子 (著)

2012年12月3日月曜日

一家だんらん

 ちょっと! ちょっと来て

 階下から妻によばれたんで、てけてけと階段を途中までおりてみた。

 階段の真ん中へんにつっ立って、手すりによっかかりながら見ると、居間のテレビの前に、妻(五十路突入)、息子(高校生)、娘(中学生)の3人が座っている。

 テレビでは、任天堂の社長が、新しいゲーム機、Wii Uの、"開封の儀"をしていた。ニンテンドーチャンネルの動画ですわ。これをいっしょに見れ、ゆうことらしい。

 社長がとつとつとしゃべりながら、ゲーム機の箱をあけてゆく。それをあーだこーだと、妻や子どもたちがしゃべくりながら見ている。

 で、箱から本体のほか、リモコンや周辺機器などをぜんぶ取り出して、以上、それでおしまい。

 なにがおもしろいんやら、と思いながらまた階段をてけてけとあがってった。

 かわったヒトたちですわ。うちの家族じゃけど。