2011年4月29日金曜日

カラオケボックスにて

 だ、そうです。

2011年4月26日火曜日

こどものつかい

 仕事がおわると、大いそぎで近所のタバコ屋さんに走った。

 タバコをいっこ買うために。

 子どものつかいかい!

 と、頭んなかで悪態ついたが、お客さんと店のばあちゃんが楽しそうに話してるのを見てたら、こういうのも悪くないかな、と思った。

 子どものころ、父のおつかいでタバコを買いに行ってたのを思い出した。

 どーせ、たくさんは売ってもらえんし、しばらくは、毎日のように通って、いっこずつ買うのもいいかもしんない。

2011年4月25日月曜日

あったどー らくだ

 もう、ここしかないと、覚悟していったお店に、1カートンだけ"らくだ"がおった。

 「うおーっ、やったどー」

 お店の看板娘(ばあちゃん)が、包みをていねいにやぶいて、1箱だけほいっとくれた。

 「あの、あの、お金もってきたら1カートン売ってくれますか?」

 「だめいね、これしかないんじゃけえ」

 そりゃそうだわ。

2011年4月23日土曜日

ハルナノニ

 4月も終わりというのに、よるベランダでタバコ吸ってるとさぶい。

 メニアオバ ミミニテッポウ ホトトギス
 カツオハイマダ クチニハイラズ

 初がつおをありがたがるような粋な風習はないんじゃけど、タバコが手に入らない。

 タバコの自販機は、かたはしから"売切"の赤ランプがともってて、タバコ屋の棚は空になっている。

 吸ってるのが、もともと、あんまりお店においてない銘柄なもんで、タバコ屋さんが見ていた"5月に入荷予定"リストにも名前がなかった。

 まじで、困った。

”まがわるい”とは

 娘をつれて歩いてて、近所の奥さんが犬の散歩をしてるのに会った。

 元気よく、コンチハ、とあいさつした。
 娘もピョコンと頭を下げた。

 奥さんは、あいさつを返してくれたけど、バツが悪そうだった。

 奥様のかわいい愛犬は、しゃがみこんで、ぷるぷるしてて、"大"のさいちゅうだった。

 ちょい、タイミングが悪かったな、と思った。

2011年4月21日木曜日

オカエリ?

2〜3日前ぐらいから、ながく働いてる売り子さんをちらほらと見かけるようになった。

いつも寄り道する、ミスタードーナツの話。

あたらしい、知らんヒトばっかりになって、元気よくてみんなよく働くんじゃけど、ええんじゃけど、なんかさびしく思っていた。

それが、おとついだか。
あっ、いつものちっこい嬢ちゃんだ、と見かけて、きょうも、べつのいつものメガネのお嬢さんが、レジにたっていた。

安心した。

ほかのお嬢さん、お姉さん(や、おばちゃん)たちももどってくるんじゃろうか?
もどってくるような気がして、いまはうれしい気持ち。

ひとりだけ、苦手な姉ちゃん(売り子さん)がおりはするんじゃけど・・・。

店員さんと談笑するでなく、ただのひとりの客として、いつもむっつりとひとりですわっとるだけじゃけど、そこで働いてるヒトも含めて、自分のなじんでる場所(場)、ゆう気がする。

2011年4月19日火曜日

”わたしと小鳥とすずと”

 テレビ(コマーシャルや「日本語であそぼう」など)で金子みすゞの詩(童謡)をみて、こりゃすげえ、と思って本屋で"わたしと小鳥とすずと(ジュラ出版局)"を買ってきた。
 ずいぶん前のはなし。

 だけども、ぱらぱらっとみて、テレビでみた詩だけ読んで、そのまま本棚におきっぱなしになっていた。

 テレビでACのコマーシャルばっかりながれたときに、また、金子みすゞの詩をみた。

 "馬鹿っていうと"、です。

 ごくごく短い詩だけども、「ウオーッ」と心の中で声をあげるぐらいに感動した。トリハダもんだった。

 んーで、こころを入れかえて、きちんと一冊読んでみた。

 全集からのぬきだしで、ほんの少しの時間で読みおえてしまったけど、よかった。全集も読んでみたいと思った。

 ぜんたいとしては、どってことない身近なもの、目に入るもの、耳に聞こえてくるものをうたったものが多い。

 しかし、彼女の目をとおして見、聞き、考えると、あらゆるものがほんのりと光るような気がした。

 ただ純真でやさしいわけじゃない。

 自分らが見落としがちな、小さな光を見のがさないだけでなく、光るもののそばでうずくまっているカゲに彼女の目はむいているように感じた。

 ああそうか、と気づかされたり、そうだそうだ、とうなづいたりしながら、いきつもどりつ読んだ。

 そうすると、ときどき、音もなく静かなのに、真っ白な光で、もんすごい輝いてるような詩がある。
 トリハダがたつ。

 "こだまでしょうか"もそうだし、大漁も、"みんなちがって"も、お日さまから飛び出た光の話も。

 "癒し"ゆう言葉は、ものごとを単純にしてしまう気がして好きじゃない。

 けど、彼女のうたを読むと、元気がでる。

 そして・・・、少しさびしくなる。

2011年4月14日木曜日

サヨオナラ?

 いっつもよってたミスタードーナツは、売り子さんが何年もかわっていないとこが好きだった。

 おいおい、だいじょうぶかいネエちゃん、といいたくなるような不器用なお嬢さんも、「おっ、がんばっとるな」と、思いながら見て、うれしくなりよった。

 ところがところが。
 さいきん、新しい売り子さんが急に増えてきたな、と思いよったら、いままでおった売り子さんを、ひとりも見かけんくなった。

 とくに親しくしとったわけでなし、個人的な話もしたことはない。
 でも、がっくり。

 新しい売り子さんたちも、いろんな個性があっておもしろいとは思うんじゃけど、知ったひと(一方的にじゃけど)がおらんくなるんは、やっぱりさびしい。しかもいっぺんに。

 とくべつな事情があったんじゃろうけど、残念デス。みーんな、何年も見てきた顔だったんで。

 で、かわって、なにが一番かわったっちゅうて、男の子が増えた。ゆうか、ドーナツ焼いてるうらかたさんはともかく、カウンターに出ている売り子さんに、男の子は、いままでひとりもおらなんだ。

 男女共同参画っちゅうやつでしょうか。

 ちょいと前の、夜おそく。やたらハイテンションで男の子の店員さんに話しかけているお嬢さんを見た。

 女性でも、やっぱり異性のほうがうれしいんじゃろか、と思いながら、にまにま見ていた。

 んー、でも、ながーい店員さんが残ってくれたほうがうれしかったな。勝手な願いですが。

2011年4月11日月曜日

おちる

 小高い山の。
 そのまた上に、高くそびえる塔のてっぺんは、びーぶーと風がふいて、めちゃ寒かった。

 はるか下に、港町が見おろせ、そのむこうには、きらきらと海が、さらに瀬戸内の島々が見えた。

 多島美、多島海。"アースシー"だ("ゲド戦記"の)。
 なんつって思いながら見ていた。

 「橋なんかかかっちゃってるけど。」

 つらなる島を、巨大な城壁のように見える橋がつないでいる。
 ちょっと無粋だが、それも景色だ。ヒトの生活や願いがこもった。

 "3.11"の直後だったので、港町を見下ろしていると、住宅や農地が、真っ黒に塗りつぶされてゆくTVの映像が、ちょっと頭をよぎった。

 目をつぶって、大きく深呼吸をした。

 目をあけて、ゆっくりと体をまえにたおしていった。

 思ったよりもスムーズに、体がすっとまえにでた。

 多島美は、視界のうえの方に消えてゆき、かわりに地べたが、塔の足元が、ズームされたように、ぐわっと目にせまってきた。

 からだが、全身が、恐怖にぶわっとつつまれた。体ん中から吹き出てきたのかも知れない。きもちもからだも、わしづかみにされる感じ。

 でも、つぎの瞬間に、おなかにへその尾のようにつながれたコードにひっぱられて、からだがくりっと、空の方にひっくり返った。

 どんより曇った空を見ながら、「んー、いまいち興(きょう)がないな」、「コードは背中か足首の方がええな」、などと考えながら、さらに落ちていった。


 もうおわかりでしょうが、バンジージャンプのはなし。
 30mほどの塔のうえから飛び降りるっちゅうバカなアトラクション。しかも金払って。

 15年ほどまえにやったときは、ハイな気分が一週間ばかりつづいた。
 脳ミソんなかを、へんな物質がどくどくと流れていたのだろう。

 で、うつうつとした気分には、バンジージャンプが効くんじゃないかと思って、ひさびさにやってみた。

 ところが。飛ぶ瞬間、じぶんでもびっくりするぐらいに、すいっとからだがまえにでた。
 前回は、落ちる前は恐怖でがちがち。落ちる瞬間からびよんびよんと上下してる間まで、ずっとじたばたと手足を動かして"走って"いたらしい。自分では覚えてない。
 今回は、恐怖でからだが固まる瞬間は、するっと短い時間で通り抜けてしまった。体にも力が入ってないように感じた。

 若いころと、どこが違うんかわからない。

 うつうつとした気持ちが、思ったよりも強くて重いんかもしれんし、年齢かさねて、へんに経験値が上がったからかもしれん。
 自殺の願望があるわけではもちろんない。

 ふつうのジェットコースターに乗ったあとのように、ごくふつうに、「おまたせ」ゆうて家族のところにもどった。
 ハイな気分には、ぜんぜんならんかった。

 娘が下から撮ってくれた写真は、ほんとに力が抜けてて、ひもにぶらさがった棒人間(落書きの)のようだった。

 塔からのながめは最高じゃったんじゃけどね。

2011年4月5日火曜日

塩きゃらめる

 ミスドで本を読んでる。

まいにちっちゅうほどじゃないが、気がむいたときには。いや、正直にいうとたびたび。

仕事帰りに寄り道して。コーヒー飲んで。オムニバスの短編小説を、一話ずつ読んでいる。
いま読んでるのは、"終末のフール (集英社文庫) 伊坂 幸太郎"。

このタイミングで読みはじめたのは、偶然。舞台が仙台市をのぞむ郊外ゆうのもおどろいたし、雰囲気が、みょうに明るい終末のにおいが、まさにいま、ゆう感じがした。

不謹慎ですんません。

となりに座ってたおばちゃんが、席をたつときに塩キャラメルをくれた。

くれるときになんか言ったが聞き取れなかった。何度かお礼を言って、素直にもらった。
なんちゅうことはないことじゃけど、なんか、びっくりしたり、不審に思うよりは、うれしかった。


知らないヒトじゃし、また会うかどうか、会ってわかるか、わかんない。
でも、なんか、縁があったんでしょうねえ。