ちょい古くてすんません。公開終わっちゃった。
賛否両論あると聞いたが、傑作か否かとかもどうでもいい。ただ個人的に、10年に一度っちゅうくらいの衝撃的におもしろかった。
大げさかもしんないが、軽い版の"未来世紀ブラジル"。奇妙な悪夢の。
しょっぱなから、意図がわかるかどうかぎりぎりの、モンティ・パイソンばりのギャグ連発。しかも目を覆うような下ネタの嵐。それでもコメディだけの映画と思わんかったのはたぶん、女三界に家なしとか、移民、マイノリティーの悲哀とかが、味付けレベルでなくお話にがっつり組み込まれてたからかなと思う。母娘の愛憎も。
という言い訳で、途中めっちゃ泣いてしまった。やばい、となりで見ていたカミさんがドン引きしとった。
何に反応したのかじつはよくわかんない。話か、絵か、音楽か複合的な作用か。
お話の筋自体はシンプルだったように思う。世界を救う英雄になるか、夢オチで日常に戻るかの二択しかないと思ってた。いかれてないひととして日常に戻るとは意外じゃった。映画は長いが中の時間は実は一瞬。
以下、ばらんばらんに思いつきを。
「小ネタ大好き。しかもしつこい。」
一回見ただけではわかんない小ネタがぎっちり詰まってると思われる。しかもほとんどがしょうもないと思ふ。それを気づいたからと言って物語が深くわかるわけではない。
「マトリックスって誰の子だっけ?」
はるばるきたなあと勝手に感慨にふける。"マトリックス"は直接は"攻殻機動隊"の子で、"攻殻機動隊"はそれはそれいろいろなものの遺伝子だか摸倣子だかでできてて。
「渡辺直美さん超絶うまかったす あ、クロちゃんもしつこく出てたっす」
ずっと渡辺直美さんに見えとった。ずっとクロちゃんに見えとった。賞は渡辺直美さんにあげてほしかった。
化け物クラスのベテラン俳優陣(豹変する!)の中にあって、お嬢さんは少しも負けてなく、揺れる若者とチートな・・・を見事に演じとられました。
「意外に狭く短い」
時間も場所も意外に狭い。並行しとるっちゃあそうじゃが。ごく短い時間の、狭い範囲の場所で、限られた人たちが右往左往する話。
「カッコ悪い競争!」
基本美男美女は出ない。美女といえば主人公と税務署の、おばはん二人が実は超絶美女だがこれでもかっつうぐらいにださいカッコと仕草をしてらっさる。税務署のおば…、おネイさんは身も心もだるんだるん。最後の方で主人公が着てた服の背中には"パンク"って書いてあった。
もう公開終わっちゃったけど、怖いもの見たさのエログロ上等な方はぜひ見て。