法事で妻の実家に行った。
お勤めに来てくれたぼんさんの話がよくて、自分に記憶のあるヒト、記憶はないけど縁がつながってるヒトに想いをよせることができるような、とてもよい法要だった。
で、法事が終わったら、子どもらをそっちのけで、そこんちの犬っころと遊んだ。
義父母が仏壇から見てる畳の部屋で走り回って追っかけっこをし、手でカミツキごっこをし、大騒ぎした。トイプードルぐらいの犬っころも自分も大興奮。
あまりのいきおいに、犬の大好きなうちの娘も遠まきにして見ていた。
「あまガミでも怖いからやだ」
テーブル囲んで一族が談笑しながら食事をし、食後のお茶をしていた。
犬っころが自分とこにとつとつとやってきて、胸に前足をのせて立ち上がった。顔ぺろかと思ったら、さらに前足をいっしょうけんめい伸ばしてくる。
ついには口ん中に足突っ込まれる。「あ? なんじゃ」と思ってると、もう一本の足も口に突っ込まれる。
その状態で、ぐいぐいとあごを下に引っ張る。
あがーと口をいっぱいに広げられた状態で、何するんかと思ったら、口ん中に細っこい鼻先をがぼっと突っ込んできた。
「なにすんじゃ、こりゃ」と思ってると、突っ込んだ口で、わしの口ん中を、ぺろぺろぺろぺろ。
とっても新鮮な体験でした。でも、くちをいっぱいにあけた状態で、鼻先突っ込まれてるもんだから、されるがままで口閉じることもできん。
顔がゆがむぐらいに口あけとって、犬っころの姿はもう見えない。
「あーあーあー」 「ぺろぺろぺろぺろ」
妻と話しよった嫁さんがふいっとこっちを向いてびっくりぎゃうてん。
「なにしよるんかねっ! ○×!(犬っころの名前)」
お義父さん、お義母さん、こんなんですんません。でも、わたしら一家は、いろいろあるけど楽しくやってます。
帰りの電車で、「ひとんちの犬に、かみぐせつけちゃあいけんじゃろう」と、娘にしかられた。