ドライブに出かけるのに一応子どもに声かけたら、めずらしく一緒に行くと言う。それも息子、娘の二人とも。
往復1時間ほどの海浜公園に行って帰るだけのつもりだったが、ついでに計画変更して遠出してみることにした。
潮風公園に寄り、大島に渡ってから道の駅で遅い昼ご飯を食って、大島を金魚でゆうと尾っぽにあたるぐらいの端っこの、なぎさ水族館に着いたのはもう日が傾きかけたぐらいだった。
寄り道に時間食いすぎとった。特別すごいもんがあるわけでなく、景色を見、落ちてるものを拾って、ぶらぶら小学生のように遊べる23歳と20歳の大学生。変わってんなあ。
水族館は前回来た時と微妙に展示が違っててまた面白かった。遠くから珍しいもんを連れて来たでなく、近海の生き物が中心なのになんであんな面白いんだろうと思う。あいかわらず、解説(とゆうかポップ?)がさえとって笑えた。
でもなんとゆうてもいっちゃん盛り上がるのがタッチプールで、小さな水族館に似合わんぐらいに広い。ヤドカリやらナマコやらヒトデやら、さわり放題である。ナマコやヒトデはふつう海で見かけても怖くて触れんのんだが、タッチプールだと大丈夫な気がして平気で触れる。とゆうか、テンション上がる。
魚もたくさんおったが、人の気配を感じるとみなあっとゆう間に逃げてしまう。それが、岩の陰におった4〜50センチはあろうかとゆうでかいヤツは、近づいても逃げなかった。水に手を入れても逃げんかって、ついにはべたべたと腹を触りはじめた。かたく引き締まった筋肉の感じがよく伝わってきた。
こりゃええ、と子どもらに呼びかけた。
わし:見て見て、こいつ触ってもぜんぜん逃げんで!
ほんなら、どっちがゆったのか忘れたが、壁の張り紙に、赤い魚は指を噛まれることがあります、と書いてあるとゆう。
まだべたべたと魚に触りつづけながらあたりを見回すと、どう見ても赤い魚とやらはこいつしかいなかった。
どうやら、一番テンション上がってよろこんどったのは、50過ぎのおっさん…、わしじゃった。
帰りのクルマで話しよったら、息子の手にべったりヒトデに吸い付かれた吸盤の跡があった。ヒトデの歩く進行方向に手をおいてたらどうなるんじゃろうと思ってたら、手の上に乗ったらぴたっと動かんくなったそうな。懐(なつ)かれたんだろう。水族館を満喫したんがわしだけじゃなくて安心した。
時間がなくて陸奥記念館はおあずけで、水族館には一番楽しみにしとった"クラゲ・ライダー(※)"がいなかった。時期ずらしてまた行ってみたい。
※クラゲに乗って旅をする、セミエビかなんかの幼生。