2010年8月16日月曜日

はいしゃきらいじゃ

 病院が好きなヒトはいないと思うが、ほんとに歯医者はイヤだ。
おこげのご飯を食べてて、歯のつめものがはずれてから、口の片側だけでかむように心がけているが、これがしんどい。
小学生のころ、百回かんで食べろ、といわれたのを思い出す。
かんでもかんでも、形がなくならない。両方の歯でかんだからといって、倍のスピードで食べられるわけではないはずだが、ご飯を食べる行為がつかれる。げ んなりする。
ひる飯は、ご飯だけがんばって食べて、おかずは残してしまった。
で、いっこくも早く、この事態を脱却せねば、ということで、歯医者にいくことにした。
歯医者にいくのは、数年ぶり。トラブルなくても、定期的にいかねばならないことは知っている。でも、いやなものはいやなのだ。
なじみの歯医者は、客が少なくて、予約がいらないところが好きだったのだが、いつのまにか、お店をたたんでしまった。やっぱ、客が少なすぎたか!
しかたなく、はじめての歯医者に電話した。
さいわい、きょうのきょうで予約はとれたのだが、歯のつめものは、不運がかさなり、捨てられてしまっていた。泣きっつらにハチである。
つめものさえ持ってけば、当日にすんだかもしれないのに、これじゃ何日もかかる。
はじめての歯医者さんは、ふつうの歯医者さんだった。
鬼のようだった。どっかの国の拷問係は、歯医者といわれていたような気がする。
気持ちは、”陵辱された少女”ゆう感じ。
もう、されるがまま、いわれるがまま。自分にいわせれば、歯医者ほどプライドをずたずたにされるサービスはない。なぜ、金はらって、こんな恥ずかしい、 イタイ思いをせねばならぬのか。
「そこは関係ない歯じゃろーがっ」と、心の中で叫ぶが、現実は、おおぐちあけたままで、すきなように歯を削られる。よだれがたれないようにがんばるのが せいぜいだった。
歯医者は、拷問のイメージだ。
歯の型ができるのは金曜日。それまでに歯石も虫歯も治してもらって、歯医者におさらばするのだ。
一週間、この一週間を、ひたすら耐えるのだ。

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