2013年2月24日日曜日
ヒーロー参上 新聞小説”紫匂う”
もともと新聞小説を読む習慣はなかったんじゃけど、”親鸞”が活劇っぽくておもしろかったもんだから読みはじめた。
つぎ(”正妻”)も、セックスレス夫婦の奇妙な信頼関係っちゅう感じでおもしかった。ラスト、殿様が泣きながら、叫びながらチャリこぐとこはよがったです。ほっとしました。
で、つぎの時代小説がですね…。主婦のよろめき小説ですた。”よろめき”は死語か?
主人公の武家の奥様が、もう、ばかばかばかばか! おまけにペアの幼馴染のお武家さまが、さらにばかばかばかばか。
毎日、いらっいらしながら読んどった。主人公の奥様は、正義感はあるんじゃけど、典型的な直情型で、知恵がなけりゃあそりゃだめじゃろう、ヒトにまで迷惑かけるだけ、ゆう感じ。
ほいでついに、おばかな二人はどうにも逃げられない絶体絶命の窮地になったわけであります。あー、もう。
と、いうところで、さっそうとヒーローが登場。それまで地味に地味にえがかれてた奥様のご主人(お武家さま)であります。かっこえー、拍手喝さいです。”待ってました”、と声をかけたくなるぐらい。
しずかで、ちから強く、知恵がありこころがある。しびれますな。
この場面のために作者はいままでお話をていねいに置いてきたんだろうから、まさに自分は作者の手のひらでころころと転がされとるようなもんなんじゃけど、楽しくて気持いい。
そっからは毎日またすげー楽しみで。朝の新聞が待ち遠しいっす。
中途半端に知恵のついたガキのころは、勧善懲悪の水戸黄門やらばかにしよったけど、年とると、素直にわくわくするし、気持ちいいわ。
”紫匂う”
作:葉室麟
画:村田涼平
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