一景. 超高速!大名行列
夜の山陽道でクルマはBMW・mini。小雨が降っていた。速度制限は出ていなかったが、走行車線は長い列を作って、80km弱でとろとろと走っていた。一生懸命追い越しをかけるような車は、とおに通り越して、追い越し車線は空いていた。
突然、バガーンと爆音がしたかと思ったら、追い越し車線を黄色いフェラーリがすっ飛んできた。フェラーリの後ろには、アウディだのなんだの、やる気満々のクルマたちが、車間つめつめでぞろぞろついてきてた。超高速の大名行列状態。
大名行列が高速ゆうたらその時点で矛盾しとるんじゃけど、まあそんな感じ。
“ああ、びっくりした”と家族で話しよったら、走行車線からふいっと追越しに出てきたクルマがあった。あまりに走行車線が遅いんで追い越しをかけたんじゃろうけど、すっ飛んできたフェラーリの鼻先を抑えるかたちになっちゃった。一斉にブレーキランプがともる大名行列。
何の気なしに追い越しをかけたクルマはいきなり張り付かれて、そうとうビビったはずだが、けっこう並んでたんで、もとの走行車線に戻ることもできず、行列の先頭を走ってた。パカパカとときどきブレーキランプをともしながら、超高速の大名行列はカーブの向こうに消えて見えなくなった。
二景. 信仰と偏見
大島にドライブに行った帰り。けっこう長い距離を、銀色のNSXの真後ろを走ることになって、すごいうれしかった。NSXには上品そうな高齢のご夫婦が乗っておられた。運転自体も、車線の取り方は少しおおざっぱじゃったけど、車間を取ってゆったり走っとって、上品だった。少し古いNSX、銀色、運転、乗ってる人も含めて、枯れた感じがかっこよくて、うらやましかった。クルマやドライブを、ごく自然に楽しんでいるように思われた。
しばらく後ろを走ってたら、“あ、このクルマ、オートマだわ”と思った。思ったじぶんに気づいた。
スポーツカーはMTに限る、ゆうことはもちろんないし、むしろ2ペダルのほうがスポーティーな場合もある。いまのオートマはめちゃ賢くて、昔のトルコン3速とかとはくらべものになんない。でも、じぶんの中にはまだMTじゃなきゃいけない、オートマはへたくそが乗るもんだ、ゆう偏見があるようだ。まさにそん時運転してたsmart、オートマじゃけど・・・。
むかしむかし、ジムニーにはじめてオートマが設定されたときも、マニアの方たちが一斉に批判したそうな。“なんでジムニーがオートマなんだ”、と。いまじゃ笑い話にしかならんが、圧倒的にオートマしか売れん時代になっても、スズキは比較的多くのクルマにMTの設定を残してくれてる(逆に)。乗りたいクルマに乗れる、それが一番ですわ。
で、じぶんはどうかとゆうと、いまだにsmartのオートマに抵抗して、シフトノブをがちゃがちゃやってる(セミオートマ?)。MTかオートマかはどっちでもよくて、自然にドライブを楽しめる、枯れた感じのかっこいいおっさんには、とてもなれそうにない。あ、もちろん、スーパーカーに乗ることはねいです。
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