自分も、高校生のころ、オリンパスのPenを持っていた。
中古をこづかいで買ったんだが、当時でもPenは、なつかしいイメージのあるカメラで、きっと、ずいぶん安く買ったのだと思う。
学校に持ち込んだり、とにかく持ち歩いてたが、残念なことになくしてしまった。
でも、買い替えることはなかった。
当時は、はりきって、一眼レフを使っていた。
お金はないので、自分で現像とプリントができる、白黒写真ばかり撮っていた。
傑作を撮るんだ、傑作な瞬間を撮るんだ、とリキんでいたが、まわりの友人たちのように、ものにはならなかった。いま考えても、しょうもない写真ばかりだったような気がする。
記憶に残るような写真はほとんどない。
学生になり、親元を離れるときには、一眼レフは持っていかなかった。
オリンパスの、やっぱり中古のXAを持っていった。
XAは、見た目は悪くなかったが、なにを撮っても、いまいちピントがあまいような気がした。光学系に、なんか不具合があったのかもしれない。
外付けの専用フラッシュも持っていったが、何分の一秒でなく、何秒になっても、そのままシャッターが切れるので、使わなくなった。暗くなっても、そのまま撮ってた。
フラッシュをはずしたXAは、フィルム・カメラの限界じゃないか、ゆうぐらいにコンパクトだった。
ピントがあまくても、構図がへんでも、気にならなくなった。
写真自体を、それほど撮らなくなった、ゆうのもあるかもしんない。
仕事をするようになって、オートフォーカスのコンパクトカメラを買ったが、あまり記憶にない。ずいぶん前、ゆうのもあるが、とくに愛着もなかったのだろう。
そいつが壊れて、つぎに何を買うかを迷ったのをおぼえている。
一眼は考えなかったが、ズームつきのごっついのにするか、単眼の広角にするかでずいぶんなやんだ。
家族の行事の写真を撮らんにゃあならんので、ほんとうは望遠があったほうがよかったのだが、けっきょく、リコーの広角28mmの単眼にした。
無理やり(ほんとうに無理やり)なギミックで、24mmのパノラマ写真が撮れる、ゆうのも魅力だった。電源を切ると、ぺったんこなプレートのようになる、ちっちゃなカメラだった。
ちゃんとしたオートのカメラじゃけど、トイ・カメラ感覚だった。
運動会などで子どもを撮ると、さすが広角で、子どもが米つぶのような写真しか撮れなかった。しゃーないか、と家族にはあきらめてもらってた。
しばらくたって、ズームつきのコンパクトカメラとの2台体制になったが、このリコーは気にいってて、一度壊れたがわざわざ修理して、いまも使っている。
フィルムの送りが不安定で、現像されたフィルムをみると、写真の"額縁"が、大きくなったり、小さくなったりしている。重ならんから、まあええか、と思っている。
で、このたび、ついにデジカメを買った。
去年の誕生日に、"好きなデジカメがえらべるカード"ゆうのをプレゼントされたが、一年ちかくなやんで、保留にしてた。
フィルムのカメラからデジタルにのりかえていいんか?、というのが一番で、つぎが、もう一台カメラがあっても、ほんとにつかうの?、ゆうのがあった。
写真展をみにいっても、フィルムの写真かデジタルか、ゆうのが気になった。
どうもデジタルの写真は、ピントのあってないぼけたところが、ぼけ味が、フィルムの写真ほどきれいでないような気がした。
ずぼらなんで、撮りっぱなしになって、整理もプリントもせず、ずんずんカメラんなかに写真がたまってしまうんでは、とも思った。
さいごに背中を押したのは、"離島に出張するかも"ゆうことだった。
その離島にはお宝の写真がある。島のお宝であるその写真を持ち帰るには、写真に撮るしかない。しかも、うちにあるカメラ(銀塩の)は、マクロ機能がなく、ケータイのカメラは、マクロがないうえに、画質が悪すぎる。
きゅうにあせって、デジカメを物色しはじめた。
で、けっきょく買ったのは、リコーのコンパクトなデジカメ。
はやりの防水でなく、ぺったんこに小さく薄いわけでもない。レトロなぐらいに、カメラらしいカメラ。
防水で、とにかく壊れず写真が撮れる、ゆうデジカメも考えたが、"もと写真部"ゆう見栄で、リコーにしたような気がする。
てんこもりに機能があるが、ほとんど使いそうにない。シャッターを半押しすると、戦闘機のコクピットかい、ちゅうくらいにいろんな表示がでるが、意味わかんない。
でも、ひさびさに選んだ、自分のカメラ。素直にうれしい。
島への出張はたちぎえになったが、充電はすませて、毎日カメラを持ち歩くようになった。重い通勤かばんが、ますます重くなった。ムダに。
目にうつって、こころの中で、「あっ」と声がでたものを、ぱしゃぱしゃオートで撮っていきたい。
カメラを持ってるだけでわくわくする。でも、わくわくするだけ、お守りみたいに持ち歩くだけで、まだ一枚しか写真撮っとらんのじゃが・・・。
傑作な写真が撮りたい、ゆう欲をおさえて、メモをとるよりも自然に、目線のままに写真が撮れたらいいな、と思っている。
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