2011年8月31日水曜日

なつの おわり

 ただいまの室温は…、30.9度。

 もう、夏はおわりぢゃないの?

 この暑さはなに?
 先週、さぶくて朝方目が覚めてタオルケットをかぶったのは、ウソじゃったんじゃろうか。

2011年8月29日月曜日

”野ばら”1・2巻(完) 高田築/作

 Amazonから勧められて気にはなっていた。家族で本屋に行ったときに、1・2巻(完結)がそろってたので衝動買い。

 本についても作者についても、まったく知らず。
 帯のもんくが"イカしていた"ので、ころりと殺されてしまった、ゆう感じ。

 で、読んでみたら大当たり。いままでちゅうちょしてたのがもったいなかった。すんげーおもしろかった。ツボにはまった。

 作者は新人らしいけど、初々しさはみじんもなし。
 ふてぶてしい絵。ふてぶてしいストーリー。ゆるいオチ。

 きほんコメディーが多かったけど、はずしかたゆうかスカしかたがベテランっぽい。どっからこのヒトはわいてきたんじゃろか、と思った。よくぞこのヒトを発見した、発表の場をあたえた、えらいぞエンターブレイン。

 短編集だからゆうだけじゃなくて、設定のせっそうのなさや、あるのかないのか分かんないようなゆるいオチや気の抜けた話の展開から、黒田硫黄氏の"茄子"を思い出した。

 エンターブレインのフェローズゆう雑誌で連載しとったらしいけど(書店に置いてあるのは見たことがない。)、絵のところどころに、講談社のアフタヌーンのニオイがした。黒田氏やら鬼頭氏、北道氏やら…。気のせいなんか、どーなんでしょう?

 なんでこの設定?、なんでこの登場人物?、状況? と、読んでてハテナマークがいくつも頭に浮かぶが、てんで説明はない。でもそれが気にならんくなって、一話読むごとに、一話ん中の一つのエピソードを読むごとに、にまにましてしまう。

 ただし、その文法でホラーをやられると超怖い。自分は幽霊やおばけが本気で怖くて、"自分には絶対霊感がない(はず)"、ゆうのだけが心の支えなんで、不条理さやえたいの知れなさが倍増して、まじで怖かった。

 こわい場面があたまにこびりついて、「なにが"野ばら"じゃ、だまされた。チクショー!」、と続きを読みながら、しばらくどきどきしよった。

 はずれの話はひとつもないんじゃけど、なかでもいちばん好きなんは、"くるくるとGPS"のはなし。奇想天外な設定なんじゃけど、それよりも、じんわりくる甘ずっぱい叙情(?)が気持ちよい、こころに残るはなしでした。
 "北陸いけない夜行"もえがったな。

 読み終えて、あらためて帯を読むと、すごくきっちりと本の内容をふんでいる、すばらしい帯に思えた。ただ売らんかな、でなく愛がある!

 いまんとこ作者は、この2冊だけじゃけど、いまからも楽しみ。いいヒトを発見した。





"野ばら"1・2巻(完) 高田築(きずく) /作
出版社:エンターブレイン

2011年8月28日日曜日

純潔



マチのかたすみで生きてます。

でも、染まってません。



ゆーて、女の子とはかぎらんが。

2011年8月25日木曜日

三歳児脳

 ケータイの周辺機器をベルトにとおすポーチをさがしていたが、ぴったりなもんがみつからないんで、自分で作ってみよー、と思いたった。

 「そのためにゃー、まず設計図だ」と思い、仕事帰りに文具店によることにした。

 てくてく歩く道すがら、前を知りあいが歩いている。
 ぺこっと頭をさげると、びっくりしたように立ちどまって、やけにていねいなあいさつを返された。
 近づくと、あんのじょう、思うたヒトと違(ちご)うとった。まっ、知りあいじゃああったんじゃけど。

 久しぶりに立ち話して、「また機会あったら一緒に仕事しましょう」、ゆうて別れて文具店に入った。

 A4の方眼紙はちょこっとさがしたらすぐみつかったが、タナの横にぶらさげてあった、えんぴつ用のグリップ(クッション)兼ホルダー(短いえんぴつ使うときの)が、すげー気になりだした。

 しばらく手に持って固まっていたが、結局色をえらんで方眼紙のうえにのせた。

 すると、そのグリップの下にぶらさげてあった"デザイン定規"とやらが目にはいった。

 歯車んなかにえんぴつ突っ込んでぐるぐる回したら、みごとな幾何学模様がかけるアレ。色づかいはどーみても小学校低学年むき。蛍光のピンクやら黄色。

 おー、なつかしい。しかも105円!

 それも方眼紙にのせてレジに向かった。
 すごい、いい買い物をした気分になった。

 そいつらと、きょう届いた雑誌をマイ・バッグに入れ、ぶらぶらさせながら家に向かう。

 が、とちゅうより道してミスタードーナツへ。

 「くっそ暑いぜ、夏に逆もどりかよ」とか頭んなかで毒づきながら、熱いコーヒーをすする。

 雑誌やら、きょうの戦利品やらをながめながら、1.5杯コーヒーを飲んだところで、"しっこ"がしたくなった。コーヒーには、利尿作用がある。

 で、壁の時計をみると、もうこんな時間じゃん。弁当がら洗ったり洗濯ものたたんだりせにゃあ。

 ちゅうことで帰路についた、とさ。

2011年8月22日月曜日

よっ ぷよっぱら

 たった三日で もとのもくあみ。
 気がついたら、ベルトの上に、ぷにょっと腹がのっとった。

 三日間の旅行でうまいもんたらふく食って、いちいちどっかよるたびにソフトクリームだのなんだの食べて…、で、みごとに身になった。身についた。

 二重アゴと背中の油身に危機感を感じてから、1年半ぐらいかかって、やっともとの体重に戻った。でっぱらは戻らんかったが、ぷにょっとベルトにのる分のお肉はなくなったのでよしとしよう。背中側の肉までベルトにのるようになったときは、さすがにやばいと思った。
 が、運動したわけじゃなくて、ご飯を減らしただけ。夕方のおやつは争うようにして子どもと一緒に食ってる。おやつをやめるんは嫌だったので、ご飯を茶碗三分の一にした。

 ふだん腹八分目に食っただけで肥えるのに、旅行中は、「もう限界、ゆるして」っちゅうくらいに毎食食ったんだから、まっしゃーねへか。

 この2kgの体重増と、ぷにょっとベルトにのった油身は、さてどんくらいでもどるのでせうか。

がまんできんかった

 何派かといえば、だんぜん、ネコ派でなくイヌ派。

 動物は好きだが、"志村動物園"はキライ。

 ミッフィーはゆるせるが、キャラクターものは、ミッキーもキティーもカンベン。ぬいぐるみをあつめる趣味は、もちろんない。

 いろいろごちゃごちゃゆうたけど、ようするに、かわゆくてがまんできずに買ってしまった。

 週刊アスキーで小道具として使われてたんを見て目がくぎ付け。googleだのYahoo!オークションだのでさがしまくって、すぐ注文した。

 階段のとこにおいてるが、のぼりおりで目があうたびに手をにぎにぎして声をかけ、ひとり悦にいっている。

 家族からは、目に入るとびっくりする、気持ち悪い、と不評である。

2011年8月7日日曜日

きれいなばっかじゃねえ・・・


昭和のふんいきが残る、駅そばの商店街。ゆうか市場。
昭和は昭和でも、戦後のにほひがする。

でもここにも、ついに再開発とやらがやってきた。この大きな街(都市)で、最後の大きな再開発じゃなかろかと思う。

中高生のころ、ごったな店がよせ集まった"百貨店"で日がな遊び、駅ちかくの商店街のお肉屋さんで、揚げたてのコロッケをほくほく食ってた。

街は、まわりの郊外のマチを喰らって、百万人になったばかりじゃったけど、子どもをわくわくさせるような、雑多なふんいきが残ってた。
まあ、まだ昭和だったんじゃけど。

きしゃなげな百貨店はとうに取り壊され、大手百貨店(デパート)を核にした、きれいな複合店にかわった。

なじみの本屋さんは、もうテナントにははいらなかった。50円で遊べるゲームセンターも、ガラスケースからおかずを持ってく食堂も、傘屋さんもボタン屋さんも、ぴかぴかの高層ビルにはいるわきゃあなかった。

駅のすこし南には、さきの戦争で焼けなかった古いマチが残ってて、家々の屋根をかすめるようにして、狭い道をバスが走っていた。そこもいまは再開発されて、タウンになった。きれいに区画整理され、郊外型のでっかい複合店(映画館つき)がででん、とできている。

で、最後はここの商店街。

シャッターがしまってる店はたくさんあるし、さびたトタンの家屋は直されんまま。アーケードは破けたまま。
このままじゃおられんのは理屈でよくわかる。

でも、世の中、明るくってきれいなとこばっかじゃ、落ち着かんしおもしろくないことない? そお思うのは、わしだけ?

2011年8月5日金曜日

”銀の匙 Silver Spoon 1 ” 荒川弘(著)

荒川弘(ひろむ)という男は(女性です)、怪物だと思う。

デビューしての初の連載が、"鋼の錬金術師"。
骨ぶとの大河ドラマをろうろうと語って、みごとに完結させた。

それも、ひとりよがりになることなく、エンターテインメントとして、少年(少女も含む)にむけて書いてるんだ、ということを忘れることなく。

おまいは吉川英治か、と思う。

吉川英治でも、デビューでいきなり"宮本武蔵"だったわけではないし、三国史や宮本武蔵書きながら出産や育児はしてないだろう。まあ、男子だからして。

"鋼の錬金術師"のラストは、読者がただただ勝利に酔うことがないように、ていねいに宿題をひろって、ほらっと提示してみせた。たとえすわりが悪くなるとしても、それが彼女の誠実な良心のあらわれだったのだと思う。思います。

で、大ヒットの次がこれ。すごいプレッシャーがあるだろう中で選んだ題材が、農業高校の青春。

あまりに自分に近いもんだと書きにくいだろうし、産業動物についての、一般のヒトとの感覚の差に気い使ってると語っていたのに。 (雑誌"ユリイカ"より)

とりあえず1巻は、ひたすらおもろい。笑える。

ネタ的には、"百姓貴族"そのまんま。中山間の小規模(コキボ)な農業しか知らない人間(わたし)には目からウロコ。

でも、あえて農業を題材にもってきたからには、彼女だからして、当然青少年にむけてのメッセージがあるはず。すごく楽しみ。
題名になっている『銀の匙』、という言葉にも、特別な意味があるはずであるが、あえて(すごいがまんして)、意味を調べていない。おいおい、その意味にふさわしい語り口で説明があると思うので。

意欲(メッセージ)があり、知識があり、それを伝えるテクニックがある。そりゃもお、最強でしょう。

きっと、3.11以後のニッポンにふさわしい、ひびく作品になるものと、確信しております。








"銀の匙 Silver Spoon 1 " 荒川弘( 著)
出版社: 小学館 (2011/7/15)

2011年8月1日月曜日

”ゴーダ哲学堂 空気人形”  業田良家(著)

 業田良家という男は恥ずかしい。業田良家という男が書いたマンガは恥ずかしい。
 だから困る。

 業田良家は、ふつうのマンガ家だった。ふつうよりは、特別におもしろいマンガを書くヒトだったように思う。でも、特別おもしろいマンガを書く、ふつうのマンガ家だった。

 それが、"自虐の詩(じぎゃくのうた)"というマンガを書いているときに、カレになにかが降りてきた。

 "自虐の詩"は、特別におもしろいが、ごくふつうのマンガだった。
 でも、だんだんと、四コマなのにふっといストーリーを持つようになり、さいごには、神だか悪魔だか、はたまた精霊だか、とにかく上部構造のなにかがカレに降りてきた。
 泣いてしまった。カレも書きながら泣いていたにちがいない。

 評論家の呉智英氏は、"自虐の詩"の人間のクズを見る目線は、キリスト教のそれに近いよううに思う、と言った(NHK BSマンガ夜話)。わたしもそう思うし、その目線は、べつにキリスト教にかぎったものではないと思う。

 ダメな人間はダメなままに、笑っていいんやらわからんぐらいにみもふたもなく書いてんのに、人間が生まれてくること、自分が生まれてきたことをすばらしいと思うことができた。

 そうして、わたしにとっては、カレは特別なマンガ家になった。

 呉智英氏のように、"布教活動"はしないものの、"自虐の詩"は、わたしにとって、もっとも大切な本のひとつになった。特に最後の5巻。

 でも自分は、カレの作品をさけるようになった。いつも気にはなってたが、長いあいだ、手にとることはなかった。
 カレとカレのマンガが、恥ずかしく、読むことが苦しく思われたからだ。

 ひさびさにこのマンガを読んだのは、映画が評判になってたから。

 本の表題にもなっていて、映画化もされた、短編"空気人形"は、予想どおり、予想以上に衝撃的だった。第一話の、"わたしを愛してください"からはじまってのこの短編だが。

 心ん中で、ウォーっと叫んでしまうくらいに心揺さぶられた。ゆり動かされた。苦しい、せつない。「感動」ゆう言葉を使うことが、自分の中で適当でないように思えるぐらいに複雑で、この気持ちをなんと言ったらヒトに伝えられるやらわからない。

 カレは、かわっていなかった。いつぞやカレに降りてきたなにかは、いまもカレのそばにいて、なにかをカレにつぶやき続けているようだった。

 業田良家という男は恥ずかしい。業田良家という男が書いたマンガは恥ずかしい。
 「恥ずかしいから困ります」、「苦しいからやめてください」、ゆうてんのに、ぐいぐい肩をいれてふところに入ってこられるような感じ。

 だから困る。


"ゴーダ哲学堂 空気人形" 業田 良家 (著)
出版社: 小学館 (2000/2/1)