Amazonから勧められて気にはなっていた。家族で本屋に行ったときに、1・2巻(完結)がそろってたので衝動買い。
本についても作者についても、まったく知らず。
帯のもんくが"イカしていた"ので、ころりと殺されてしまった、ゆう感じ。
で、読んでみたら大当たり。いままでちゅうちょしてたのがもったいなかった。すんげーおもしろかった。ツボにはまった。
作者は新人らしいけど、初々しさはみじんもなし。
ふてぶてしい絵。ふてぶてしいストーリー。ゆるいオチ。
きほんコメディーが多かったけど、はずしかたゆうかスカしかたがベテランっぽい。どっからこのヒトはわいてきたんじゃろか、と思った。よくぞこのヒトを発見した、発表の場をあたえた、えらいぞエンターブレイン。
短編集だからゆうだけじゃなくて、設定のせっそうのなさや、あるのかないのか分かんないようなゆるいオチや気の抜けた話の展開から、黒田硫黄氏の"茄子"を思い出した。
エンターブレインのフェローズゆう雑誌で連載しとったらしいけど(書店に置いてあるのは見たことがない。)、絵のところどころに、講談社のアフタヌーンのニオイがした。黒田氏やら鬼頭氏、北道氏やら…。気のせいなんか、どーなんでしょう?
なんでこの設定?、なんでこの登場人物?、状況? と、読んでてハテナマークがいくつも頭に浮かぶが、てんで説明はない。でもそれが気にならんくなって、一話読むごとに、一話ん中の一つのエピソードを読むごとに、にまにましてしまう。
ただし、その文法でホラーをやられると超怖い。自分は幽霊やおばけが本気で怖くて、"自分には絶対霊感がない(はず)"、ゆうのだけが心の支えなんで、不条理さやえたいの知れなさが倍増して、まじで怖かった。
こわい場面があたまにこびりついて、「なにが"野ばら"じゃ、だまされた。チクショー!」、と続きを読みながら、しばらくどきどきしよった。
はずれの話はひとつもないんじゃけど、なかでもいちばん好きなんは、"くるくるとGPS"のはなし。奇想天外な設定なんじゃけど、それよりも、じんわりくる甘ずっぱい叙情(?)が気持ちよい、こころに残るはなしでした。
"北陸いけない夜行"もえがったな。
読み終えて、あらためて帯を読むと、すごくきっちりと本の内容をふんでいる、すばらしい帯に思えた。ただ売らんかな、でなく愛がある!
いまんとこ作者は、この2冊だけじゃけど、いまからも楽しみ。いいヒトを発見した。
"野ばら"1・2巻(完) 高田築(きずく) /作
出版社:エンターブレイン
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