2012年5月30日水曜日

生活と習慣

 あさ、ごみ出しにでたときに、近所の若い奥さんとおぼしきヒトとばったり会った。

 まったく面識のないヒトだったが、至近距離で顔合わせといてだまっとくのもなんなんで、「オハヨウゴザイマス」とあいさつをした。

 どっからどうみても、"ナース"だった。

 あのかっこでごみ出ししてたんだから、とうぜん、そのまま出勤するんだろう。

 帰りに買物するときも、あのかっこのままでスーパーに入るんだろうか。

 異性だからなのか、おっさんや兄ちゃんが作業服でうろうろしとるのを見るんとは、心象が違うな(わたしの)。

2012年5月26日土曜日

闘いは おわった

 クルマから

 古いホロをはずして

 新しいのを、ただ付けるだけ

 たったそれだけの作業に、小一時間かかった。

 ひっぱりまくってホックにとめるんじゃけど、最後はオトナ三人がかりで、ウォリャーとひぱった。蒸しタオルまで用意して。

 手の力はもう限界。握力がいまはぜんぜんない。

 やっぱ、新しいホロはいい。

 ピカピカでやわらかいし、窓の透明さゆうたら感動もの。

 ほんとうは、洗車してから換えたかった。

にゃんこ先生のこと

 クルマの屋根(ホロ)に乗ってたり、リアのデッキ(ホロ)で寝てたりするなあ、と思っていた。

 やばい予感がしてた。時間の問題のような気がした。

 んで、けさのこと。

 けっこう出勤する時間がギリになってしもうたんで、あせってクルマに乗ろうとしてドアをあけたら、ふわーっと、なんかが飛んだ。ふわふわーっと。

 にゃんこ先生の毛じゃった。

 そん時はすがたは見えんかったが、運転席んとこでお昼寝でもしたらしい。

 さいわいシートはビニール生地だが、"けっこう毛だらけ"になっとったもんで、くそ忙しいのにシートをばしばしはたいて、運転席も助手席も窓をあけはなって発進した。

 きょうにかぎって、ズボンが黒だった。まっ、そりゃええんじゃけど、むかし運転席にちっちをされたことがあって臭いがとれんで大変な目にあった。それが一番怖い。

 にゃんこ先生も犬みたいにツナつけて飼うように法改正してくれい。

 もうまったなし、なんぞ対策をしなければ…。ばり裂けたリアウィンドウの。あけっぱなしだと、また確実にはいられる。わだしの愛車の中が、怪しくて怖いとこから、安心安全なとこになってしもうたみたいだ。

 まだ洗車してないんじゃけど、新しいホロ(買って置きっぱになってる)をかけるしかないかも。ブルーシートかなんかあったっけ?

2012年5月24日木曜日

マージャンとかって

なんの話の流れだったか忘れたが、職場の女性が、同じく職場の兄ちゃんに、「(学生時代とか)マージャンとかって、してました?」と聞いた。

横で聞いてた自分が、口調を真似てちゃちゃを入れた。

「脱衣(だつい)マージャンとかって、してました?」

女性:「男のヒトに対しても、それはセクハラです。」
わし:「ええー! よく言われます。」
女性:「そうでしょう。」

きっぱり言われた。

”ダツイ・マージャン”ゆうて、耳で聞いてわかるとは、その女性は若いのに見込みがあると思った。

2012年5月21日月曜日

”さいごの色街 飛田” 井上理津子 (著)

すげー。著者は女サイバラか? いや、西原氏は女性だった。

正直な感想は、最後の最後までにえきらんかったなあ、ゆうもの。

"おまえの考えは女性を落としめとんじゃあ"と、非難する内容ではないのに、後味がすこぶる悪かった。

ようもまあ10年以上もはりついとったと、その根性をほめてあげたいが、10年以上はりついて、こんだけの情報量か残念、とも思う。

この本の内容に衝撃を受けるほどウブじゃないし、なにより(自分は)身ぎれいじゃあない。
たいへんもうしわけないが、著者の体をはった直接的な取材の成果よりも、著者が必死であさった、ぼうだいな文献の情報のほうが面白かった。

江戸の遊郭じゃないけど、"ウソはマコト、マコトはウソ"の、ウソにもマコトにも、いま一歩踏み込めんかった印象。

別の見方をすれば、そのガードの固さが、21世紀になっても飛田(とびた)を存在させてるのかもしれない。もう、21世紀ですよ。

自分が飛田に行ったときは、そりゃあもう、すごい衝撃だった。「えっ、いま、なに時代じゃったっけ!?」て思うぐらいに、遊郭そのものだった。路上で焚火しとる西成も衝撃じゃったし。20年以上前の話じゃけど、この本を読んで、いまも飛田が時代にそぐわない場として存在し続けてることを知った。
昔っから"ちょいの間"だったわけじゃないことも知ることができた。

ヒトを尊重するといったら、ヒトがいやがることをしないこと、自分がされたらいやなことをしないことだが、それでいったら女性の性の商品化は、直接だろうが間接だろうがとんでもないことである。それをわかっていながら、いまだに自分はそれが大好きで、捨てることができない。

"必要悪"とは、誤訳の最たるものみたいなことを、郡司外史氏は言っておられたが、まさに飛田は、"必要とされてるわけじゃないけど、現に存在してる悪"として、いまもあるようだ。

読んでるあいだずっと感じてた居心地の悪さは、どっちつかずの自分の態度や気持ちが、著者に重なって見えたからかもしれない。







"さいごの色街 飛田"
井上 理津子 (著)
出版/筑摩書房

教養番組にて

 TVで、"月が地球から離れてゆく"、てのをやっていた。

 番組内容よりも、解説してる学者姉ちゃんの手に握られているのがWiiリモコンに見えて、そっちのほうが気になった。

 いろんな学者さんがかわるがわる説明してくれるんじゃけど、その姉ちゃんがまた出るのをじいっと待って、その手元ばかりを見ていた。

2012年5月19日土曜日

はずれ

 ネット・オークションで、クルマの灰皿(中古)を買った。いま使ってるのは、部品が一部もげてなくなってて不便だったので。

 ぶじ商品が届いてクルマに取り付けようと持ってくと、形が違ってた。

 車体の型番がおんなじなんで安心しとったら、年式で内装がかわっとったらしい。

 ダメじゃん。安かったんじゃけど、どおしようもねえ。

 きのう夜遅くに風呂入って髪を洗っとったら、いつもとあわだちが違った。

 ひるま暑い中を走りまわって汗かいたせいかと思った。

 体を洗おうとしてボディソープをさがしたら、さっき髪をあらったそれだった。

 どおりですすいだら髪がばきばきになったと思った。

 "はずれ"じゃなくて、不注意っちゅうんでしょうか。

2012年5月17日木曜日

あっぷでーと ぢごく

 ぜったい、はじめる時間が遅かったと思うんだわ。

 6〜7台のパソコンにアップデートかけて、そのうち4台にソフトをインストールするっちゅうお仕事。

 夕方からはじめて、さっき終わったんだわ。

 ほりゃ、つかれたわ。ひとりぼっち、真っ暗な職場で、えんえん、マイクロソフト・アップデート。夜の学校を思い出したわ。
 いくらなんでも、ここまで時間かかるとは、思わなんだ。

 SP3のインストールからはじめる、ゆうのがそもそもイタかった。

 ところで、ここのファミレスのコーヒーは、ホットココアの味と香りがするのはなんでじゃろうか?
 不思議だ。

2012年5月15日火曜日

やったね!

 帰ろ思うて、車のキーひねったけど、セルはうんともすんともいわないね。

 あっ、と思ってライトのスイッチひねったら、かちっと回ったね。

 こりゃあ、あれだね。バッテリーあがりっちゅうやつじゃね。

 しかも、こおゆう日にかぎって、遅番じゃね。お店しまっちゃうね。

 とりあえずJAF呼んだんじゃけど、家まで帰れたとして、あしたどうにもならんね。

せんたく せんたく

 だれにでも、理屈じゃないこだわりがあるもんがあるだろう。

 ヒトにとっちゃあどおでもええことじゃけど、自分の思いどおりでないと、えらい気持ちわるい。

 自分が受け持ちの数少ない家事のひとつが洗濯。

 洗濯機をまわすのは妻がするが、それをあさ干して、夕方乾いてから、たたんでタンスに片づけるまでは自分の仕事と思っている。

 めんどうなんじゃけど、ヒトがすると、えらい気に入らない。

 日曜日、家族全員が休みで自分だけ仕事。いつもよりあさのスタートが遅くて、自分だけがばたばたと出勤した。洗濯物を干してないのが気になったが、もうギリなんでしかたない。

 んで、帰ってからのこと。

 とりこんだ洗濯物を見て、なんじゃあこりゃあ、と思わず口にしてしまった。

 シャツやタオルはしわしわで、形もくずれている。タオルなんかは台形だったりひし形だったりする。

 「タオルが、四角じゃない」

 「ヒトが干したのに文句ゆうちゃあいけんちゃ」

 妻ににらまれた。

 そこで、「あんたはヒトのことに文句ゆうじゃん。いっつも。」と口にしてしまったら、ゴングが鳴ってしまう。くわばらくわばら。

 心ん中でぶつぶつ言いながら、ぎゆうぎゆうとのばしながら洗濯もんをたたんだ。

 家事は段取りとスピードが大事である。ていねいならええっちゅうもんじゃない。

 自分が洗濯干したら、えらい時間がかかる。色物はひっくり返して、ぱんぱんして、しわをていねいにのばして、などとやってたら、ほかのことができんくなるだろう。

 いちいちシャツとか靴下とかひっくり返しとったら、たたむときにせんないじゃん、と何度も妻に言われている。

 義務でやってんじゃあなくて好きでやってんだから、思うように、わしが気持ちいいようにやらしてくれい。

おそで

 きょうは、遅出。

 雨はやみそうにないし、はやめに家出てコーヒー飲むも。

 と、思ったら少し早すぎた。店が開いてなかった。

 それでも買物客の出足ははやくて、入り口に近いとこの駐車場はいっぱい。

 みな、少しでも近いとこに止めようとするからじゃろうけど。それにしても、年寄りは出足が早いな。ほとんどがお年寄りだがね。

2012年5月14日月曜日

ミスドのいちにち

 あさ一番は、朝食とって出勤するんだな、というスーツの兄ちゃん、姉ちゃんがちらほらいる。

 その時間をすぎていまぐらいは、ほとんどお年寄りだけになる。さっきもご夫婦が仲よさそうになんぞ、食事をしとられた。
 まあ、駅前の商店街歩いてるのがお年寄り多いんじゃけど。

 昼んなるとまた食事のお客さんがくるようになって、バライエティにとんでくる。

 午后は学生さんがたちよって、お茶してだべってる。とくに女子。しょざいなげにぼーっとしとったり、いきもつかせずでかい声でマシンガントークだったり。

 趣味のお友達か、奥様がたが集まって、ひゃあひゃあおしゃべりをしとったりもする。優雅じゃねえ。

 ま、とにかくお客もまばらで、お店もゆったりした時間か。

 夕方からは、帰りにお土産、お茶しておしゃべり、がっつり食事と、お客がどやどや集まってくる。きほん持ち帰りの客が多いんじゃけど、店内でおめし上がりのお客も増える。

 夜遅くなると、さすがに平日だと混雑はしないが、飲みの帰りにお土産だの、電車待ちでおしゃべりだの。若いヒトも多いけど、おっさんの割合も増える。
 真っ赤な顔のおいしゃんが、仲よく4人でコーヒー飲みよったりする。

 おもしろいのは、競艇のある日のあさ。
 出撃前の高揚した気分のおっさん、おばさんがわーっと陣どってて盛り上がってる。気合入れたり情報交換したりして、電車で出撃すんだろう。いつもはがらがらで、空気運んどるような日中の電車が、各駅でぎっちりギャンブラーを乗せて走る。
 むかしにくらべりゃあずいぶん減ったじゃろうけど。

 さて、じぶんもそろそろ動かねば。あさいちばんで郵便局に行って、お店が開店するまでの時間待ち。
 せっかくの休日じゃけど、家におりゃあおったで仕事がある。

 さあて、気合いれていくべえか。

2012年5月13日日曜日

”かきかけとけしいん” たし (著)

なんで買ったのか、ぜんぜん記憶にない。けど、おもしろかった。

 発達障害系の兄ちゃんと、いろいろ思うところのある、中途半端に知恵のある子ども、のふたりぐらしの話。

 ちょいわかりやすすぎて、もの足りんような気もするが、すっきり気持ちよく読んだ。おまけの話もすっきり。

 1巻完結なんじゃけど、もうすこしふたりの話が読みたかった。あー、お嬢さんも。

 「兄ちゃんはまちがいなくそれ系じゃろ」、「こんな子ども、おらんけどね」、と妻はみもふたもないことを言ってたが、「でも、ぜんぜんいやじゃない」とも言ってた。自分もそんなかんじ。

 事情により子どもらしく(ステレオタイプの)してられない子どもらは実際におるし、兄ちゃんの行動パターンは、自身かたよりがあることを自覚してる自分には、おーそーじゃろ、とよくわかる。わかるとひとことで言ったらえらそうなけど、そういうヒトもいるだろうと思える(で、ふふっと笑ってしまう)、ゆうのが正確。

 買った理由は、たぶん、超絶技巧とは思わんが、必要充分でひかえめな表紙の絵にひかれたからだと思う。
 内容も、おしつけがましくなくて、すなおにあーよかった、と思えた。

 ところで、このヒトはだれ? なんの雑誌?





"かきかけとけしいん"
たし (著)
(IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

2012年5月8日火曜日

ミスド よろしおすな

 出勤簿かタイムカード作ってもらってもええぐらい、毎日寄り道していたミスタードーナツ。

 職場の転属でほとんど来れなくなってしまった。場所変わって、通勤方法も変わったもんで。

 それが、きのう、きょうと、残務整理で旧職場に行ったもんで二日連続でミスドに寄り道。ドーナツは食ってねえけど。

 やっぱ慣れた店はええわ。コーヒー飲みながらタバコ吸えるし、マグカップでコーヒー飲めるし。

 犬はヒトになつくが、ネコは家になつくそうな。人間は…、どっちもですな。

 あたらしい隠れ家の開拓はススマず。

一年を 三日で過ぐす

 妻から、最後通牒を受けた。

 「もう、ええかげん。捨ててもええじゃろ。」

 子どものベッド下の収納スペースから引っぱり出されたのは、月刊漫画誌、"アフタヌーン"の山。

 定期購読しとるんじゃけど、「ヒストリエ」と「ヴィンランド・サガ」ぐらいしか読んでなくて、積んで自分の股下ぐらいほどになった塔が、ふたつある。

 資源品として出荷するために、ひもでくくることとした。いっちゃん古いのは2010年2月号。記憶のかけらもない。しかしいざ捨てちまうとなると、すごい惜しい。
 けっきょく読みはじめた。

 「それは…、なに?」(通りすがった妻)

 「ミイラです」(わしわし)

 アフタヌーンは、載ってるマンガがみな濃ゆくて、横断して読むにゃあすごいエネルギーがいる。
 マンガごとに波長がえらくちがってて、しかも出力はみな異様に高い。波長あわせが大変で、一冊を読み終えて翌月分を読みはじめると、前の号と話をつなげるのがまた大変。

 それでも一日数時間、すごい集中力で読み続けてると慣れてきた。全作品を読んでるわけじゃないが、複数のマンガを同時進行で読みこめるようになった。

 で、きのう2011年9月号を読了。

 その間、仕事の日や家族の遠足(高校生も含めてだぜい)があったが、とにかく読みまくって、ようやく見覚えのある表紙になってきた。

 しかし、脳みそはへろへろになり、頭の奥がこげ臭いような感覚がある。なによりも目の疲れがものっすごくて、重痛い(おもいたい)。

 もっ、目だまがもげそう。

 「そりゃ、そじゃろう」(息子)

2012年5月5日土曜日

ごーるでん うぃーく

 いま、まさに。

 ごおるでんに輝く夕日が、山のあなたにしずまんとす。

 わし、あしたから仕事だわ。おわた。

2012年5月2日水曜日

ケータイ の ショップ

 まちなかに、やたらとケータイ・ショップがある。
 しかも、からっぽで客がおらんかゆうと、けっこうな確率で、ちゃんと客がいる。複数人いたりする。

 同じ機種を何年も使い続けてて(壊れては中古で乗りかえてるが…)、契約のプランもめったにかえない自分からすると、なんであんなにショップに用があるのかわからない。

 先週のこと。出勤までに時間があったんで、ひごろ思ってた小さな疑問について聞いてみたくなり、自分のケータイのお店をのぞいた。

 親切ていねいに、あかるく、店のお嬢さんが対応してくれた。

 これが、えらいかわいい。制服といい。

 これ自分の電話番号です、と書き込みの入った問い合わせ票をわたしたかったが、「個人情報がありますので、これはお渡ししときますね」と、あっさりつきかえされた。
 ああ、残念である。

 いま使ってるケータイにとくに不満もないし、もうショップに行く用はない。これまた残念。

 ケータイのお店の店員が、自分みたいなおっさんばっかりじゃったら…、用があっても行かんような気がする。

2012年5月1日火曜日

アネモネ アネモネ アネモネ

 二日間かけて、"交響詩篇 エウレカセブン"の古いほうのクライマックスを見る一家。中年夫婦とその子、中高生。
 どーなんでしょうね、この一家。たぶん一番うるさいのは、自分じゃけど。

 のべ4〜5時間は見とるだろうか。一話見終わるたびに何人かがウオー、とうめき声をあげ、あれはなんなのか、あーじゃないかこーじゃないかと議論が始まる。
 で、CMとかは早送りでぶっとばし、オープニングはおとなしく見る。エンディングも。
 すぐ次を見るのに、次回予告を息をのんで見る。

 今回の本題は、ひとりの登場人物の少女、"アネモネ"。光と影の、まさに影。それも暗黒の。光のほうの少女(見た目はね)のほうにも影があるんだから、そりゃもう暗い。
 壊れているを通りこして、人格が"荒廃している"と言っていい。

 んで、かなり話の前のほうから出てるのに、何者なのか、まったく説明がなかった。

 ただ、もうとにかくその姿が痛くて痛くて、自分は、一家ん中でただひとり最終話まで見てる息子(高校生)のほうをきっとにらんでは、「お願いじゃけえ、こいつをなんとかしてくんないか(救ってくれないか)」と、何度も何度も言ってきた。

 それが、あと数話ゆう最後の最後になって、ついに彼女のことが語られ、そして彼女自身の、絶望んなかからしぼりだすような声を聞くことができた。

 彼女は泣いていた。自分も泣きそうになった。

 「お願いだから、こいつを」

 そのおっさんのせつなる願いは届き、彼女は自分自身への気づきを得、そして求めてけして得ることはできないと思っていた、他者からの無償の愛を得、充分に感じることができた。

 物語はまだ終わっておらず、すぐつぎの瞬間にも、世界は終わってしまいそうである。

 それでも、いま、この瞬間、満たされた彼女を見て、自分は満足した。

 このながいながい話がどう着地しようと、自分はもうどうでもよい。

 荒廃した入れ物にたましいが入り、いま、ここで生きたい(他者とともに)と願った。それで充分だ。

 じっさいにこうゆう子がおったらどうかと言ったら、正直はだしで逃げ出す。全力で。

 がんばってね。ドミニク少年よ。あれっ、青年かな?