左右のほほをさわると、左のほほがちくちくした。
左のほほから、そり残しのヒゲが1本、にょろーんとのびていた。
両ほほをさわってたしかめたが、右はつるんとしてて左だけである。
ヒゲは、指に巻きつけられるほどながい。じぶんのヒゲそりだと、こんなそり残しはないのに、おかしーなーと思いながら引っぱってみた。たしかにほほからだ。
指に巻きつけて抜こうとして、やめた。ホクロからにょろーんとはえたりする、あの毛を思い出した。ホクロ毛(げ)と言ったり、子どもらは黒カブと言ったりするあれ。なんか、幸運のしるしのような気がして、ぶさいくなのに残しておいたりする、あれ。
もっぺんたしかめようとして、こんどはまっすぐ引っぱるんでなくて、根元をたどるようにしてななめにのばしてみた。すると、ほほからだったはずが、ビンのへんがつんつんした。
あれ?、と二度、三度やってるうちに記憶がなくなった。
あの毛、抜いた方がよかったんですかねえ。
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