せっかくの三連休なんでどっか行こうと思い、最終日、大島に犬っころを見に行くことにした。ふれあいどうぶつ村。
カミさんと娘も誘ったが、とうぜんのように断られた。さびしい。
ぎりぎりの曇天のもと、どうぶつ村に着いてみると、だれもいなかった。わしのほかに、だれも客がいない。係のお姉さんがものっすごいひまそうに立っていた。
いつもじゃったら子ども連れの家族がいっぱいおって、きゃいきゃいとにぎやかなんじゃけど、その日は犬っころがときたま吠えるだけで静かなもんだった。
さいしょこそ、"だれ、だれ? あんただれ?"ゆう感じで犬っころたちが集まってきたが、ひととおり臭いをかいだら、みんなまたはなれてった。さびしい。
ぼーっとベンチにすわって、走り回る犬たちを見ていた。そのうちにビーグルがやってきて、身をよせるようにくっついてベンチのとなりに座った。お姉さんがだっこが好きな犬ゆうてミニチュアダックスをひざに乗っけてくれた。トイプードルがとことこベンチにあがってきて、せまいひざのうえにぎゅうぎゅうに重なるように先客と寝そべった。
それからずっと、おっさん一人とと3匹ですごした。こしょこしょとさすってるうちにひざの2匹は寝てしまった。すこし肌ざむかったんで、ひざのうえがちょうど温かかったんだろう。
入り口のへんで人の気配がするたびに、ほかの犬っころたちは元気になってわんわん吠えながら柵のへんに集まった。係のお姉さんも入り口をじっと見ている。でも客来ない。あーあっちゅう感じで解散する。そのくり返し。さびしくもけだるいのどかな時間。
じゃあそろそろ出るか、とひざのうえやとなりの犬たちをとんとんたたいて声をかけ、地べたに下ろした。
正味1時間弱おったんじゃけど、係のお姉さんとの会話はほとんどなかった。
おっさんひとりで来る自体が相当変わっとろうし、ほとんどしゃべらない。お姉さんもどう相手すんのか困ったことだろう。
犬は大好きじゃけど飼う覚悟がない。だから、また彼ら彼女らにここに会いに行くと思う。無責任かもしれない。でも好きだからしょうがない。
いちんちたったけど、まだじぶんの体からほんのり犬の臭いがする気がする。
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