灰皿の横のベンチには、わか…くはない姉さんが座ってて、でっかい声で話していた。
ケータイで話してんだろうと思ってた。相手をしかりつけるように激しくしゃべっていた。マシンガントーク!
が、すぐそばでつっ立って、たばこをゆっくりふかしながら見てると、ハンズフリーでなくて、だいたいケータイ電話自体持ってなかった。
「あれ?」
姉さんの話はとまらない。指が焦げるんじゃないかゆうぐらいに短くなってたたばこを消したかと思うと、すぐにまたたばこをくわえて火をつけた。その間もしゃべり続け。
そのうち立ち上がって、体をゆすり、手を大きく動かしながらお話を続けた。
話題が楽しいもんにかわったらしく、大きな声で笑ったり、ステップ踏んだり、シュっと声をだしながら、シャドーボクシングみたいなこともやったりしてた。
自分のたばこが短くなったので、灰皿で消して、そのばを離れた。
姉さんのマシンガントークは、ゆたかな顔の表情と、ダイナミックな体の動きでいよいよもりあがってて、でっかい声で話し続けていた。
自分にはなんも見えず聞こえんかったんじゃけど、どうやらだれかいたらしい。
姉さんは、家族や知人と一緒のときでも、なにか聞こえとるんじゃろうか? ひとりでないときは、聞こえても返事をしないだけなんじゃろうか?
ところで、自分は、姉さんの肩がたたけるぐらいの、すぐへりにつっ立っとったんじゃけど…。
わたしの存在は、空気か石ころのようなもんだったのでせうか?
0 件のコメント:
コメントを投稿