冒頭の花のアップから、もう感動。なぜかは説明できんのんじゃけど。
そして"おおかみおとこ"と主人公のデートや暮らしを、せりふなしで長く、ていねいに見せた前半部で、もうおなかいっぱい。もうけっこう、の意味ではなく、感動して大満足ゆうこと。
歩く、話す、作る、食べる。なんでもない日常の風景や動作を、きちんと描く、動かす、演技させる、ゆうことは、とても難しいことと自分は思う。
それと、超絶技巧の背景美術。画材が手書きだろうがCGだろうが、結局しごとをするのは人間。全編、美術さんはすばらしい仕事をしてくれたと思う。この映画では、背景の自然や家は、登場人物たちと同じく重要で、とてもよい演技をしていたと思う。
お話は、理屈が欠けていたり飛んでたりするところが寓話のようだったけど、とくに寓意はなくて、映画で語られていたことそのままのように感じた。
不自然に長くこった雪遊びのシーンも、とくに意味づけすることもなく、むねにすっと落ちた。
子どもといっしょに泣き、笑い。なにもわからないままにがむしゃらに働き、子育てをし、ときに周りの人たちに支えられていることを感じ、そして子どもらはいつのまにやら成長してひとり立ちしてゆく。
子どもがひとり立ちのとき、理屈ではわかっているはずなのに取り乱し、泣き叫んでしまう。主人公(のひとり)の母親が、わかったような顔をせず、泣き、取り乱してくれたのでよかった。
ものがたりのおわりの、早すぎる親離れ、子離れも、そのまま素直に祝福すればよいのではないか、と自分は思った。自分が子持ちでなかったら、また思いもちがうのかもしれないが。
とりあえず、もっぺん見たい。
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