2011年10月5日水曜日

愛の アルゴリズムたいそう

夜、11時になりなんとするころ。

とつぜん息子が低いダミ声で歌いながら、アルゴリズム体操をはじめた。ゆっくりと歩きながら。
娘もすぐにつられて、だまってアルゴリズム体操をはじめた。広くもない部屋を二人で歩きながら。

「いーっぽ、進んでまえならえー」

(アルゴリズム行進?)

「いーっぽ進んで、エライひとー」

のところで、二人は一歩半の距離とって真正面で向かいあった。

「そっくりかえって、ぺこりんこー」

ゆうたつぎの瞬間、二人は頭突きになった。「ごずっ」と、にぶい音がした。
身長差があるのに、ジャストミートで二人ともでこぴんだった。

ぶつけた瞬間もそのあとも、二人とも一言も声をあげなかった。で、ぶつけたでこに手を当てるでなし、首をうなだれて、だらりと両手をたらした状態で固まっていた。

(おーお、すごい音がしたのう。)

そのまま固まってる時間がえらく長く感じられて、やっと口をひらいたのは息子のほうだった。

「…まえは、殺す気かっ!」


(お、動いた。)

うちの兄妹(きょうだい)は仲がええのお、と思った。
娘は"もう中学生"で、息子は"もう高校生"、なんじゃけど。

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