職場の印刷機(輪転機)が調子がわるくて、業者さんに来てもらった。ほとほと困っていた。じぶん担当の印刷物をかかえてる職員が、順番待ちになっとった。
メカマンが、ていねいに中でだだ漏れしていたインクを拭いたり、できるかぎりのことはしてくれたが、けつろんとしては、修理不能とか。経年劣化で傷んでる部品があるが、メーカ在庫がないんだと。
印刷機からドラムを引っ張り出して、部品現物を見ながらていねいに説明を受けた。漏れ出てくるインクに注意して、定期的にふき取りながらおそるおそる使って、はやいうちに買いかえるかリースで別のを借りるしかないという。
わし:「・・・。違う色の(予備の)ドラムから部品とって、ニコイチで修理すればいいんじゃない?」
営業とメカマンのおっさん、ふたりとも目が点になっとった。そんな不思議なことかいな?
30年モノのぼろグルマに乗ってるもんの発想である。部品ならあるじゃん、中古で使用済みじゃけど、てゆう。赤と青の原稿を刷るためのオプションのドラムが各一で二つもある。
営業とメカマンのおじさんは、すこしの間顔をあわせぼそぼそ相談しとったが、可能かどうかメーカに問い合わせて見るとのことだった。
こちとら、新品の輪転機買うどころか、リースで借りる予算すらねーんでい。なんとかしてくれい。
業者さんが帰ってしばらくして、印刷しようとしてた同僚のおじさんが事務室に来た。やっぱ印刷ができないとのこと。とにかく詰まって、製版つくるとこまでもいきつかんらしい。まじで困った。
もう時間ぶちかかるの覚悟で、レーザープリンタで印刷するしかないかも。
残業覚悟で、その印刷、じぶんがやりますと引き受けてしまった。
それからは、すぐにはあきらめられんもんだから、キッチンペーパーやティッシュや新聞紙持って印刷室にこもった。
ドラム引っ張り出して上ブタあけて、インクで汚れたとこをかたはしから拭いてった。ドラムのすき間からヒジまでつっこんで、ローラーやらガイドのステイやら、とにかくドラムや紙がさわりそうなとこを拭いてった。ドラムも下地のステンレスが見えるまでとことん拭いた。
インクで両手真っ黒。爪や手のしわの中まで。
それがおわったら印刷機のフタ閉じて、へんなインクが付かんくなるまで紙を何十枚かとおした。
んーで、いよいよおたちあい。原稿セットしてボタン押すと、できた! へんな汚れやかすれもなく、両面刷って、はい、完了。印刷はじめたらトラブルはぜんぜんなくて、あっちゅう間におわった。も、夕方じゃったけど。
いけるじゃん、わし。…じゃなくて印刷機。しょうじき、すげーうれしかった。
翌日からは、順番待ってた職員が、つぎつぎに印刷しよったけどノントラブル。
印刷機のごきげんがいいうちに、刷るもんぜんぶ刷っとこうちゅうことで、一日中、ずっとだれかが印刷室に入ってた。
業者が言ってた部品ゆうかシートは、"破れそう"じゃなくて、もう部分的に破れとった。いつまた止まるかわかんない。素人がいじったぐらいで直るわっきゃあないし、時間の問題だろう。
でもよいのだ、調子わるかろうがいまは動いてんだから。
クルマといっしょっすね。あ、そりゃあうちんちだけか?
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