すごいうれしかった。
郡司外史著の『迷解笑辞苑』はながらく絶版となってましたが、郡司利男著『迷解国語笑辞典』として、絶賛発売中です。
『迷解笑辞苑』は、英文学者の郡司利男氏が、郡司外史の名前で著した、お笑いの辞典。(開拓社より1981年に出版)
学生時代に、教養を身につけようと思い、本屋でかの有名な、『悪魔の辞典』を手にとった。
ぱらぱらとめくってみると、こりゃーとてもじゃないが手に負えねへ。内容が難しすぎる。
一瞬でこころざしは折れたが、となりにこの本が並んでいた。
『悪魔の辞典』を訳してたのが、郡司利男せんせだった。
立ち読みしてみると、めちゃおもろい。即、買って帰って、それからは何べん読んだっちゅうもんじゃない。こおゆうのを、座右の書というんだろうか。
ものすごいへそ曲りで、鼻持ちならない人物が、ぼうだいな古今東西の教養を駆使して、言葉を厳選した辞典が、これ。
郡司せんせの専門は、英米文学のはずなんじゃけど、なんでこのヒト、こんなに日本の古典とか習俗とか、はては雑学まで、こんな知っとんの? なにものなの、このヒト、ゆうくらいに郡司せんせはスゴイ。
ついてこれるやつだけついてこい、っちゅう内容なんで、とてもじゃないが全部の内容は理解できない。それでもめちゃおもろい。
へそはあらぬ方向に曲がっているが、世の中を見る目はしごくまっとうで、結構てきびしい。しかしそれを、声高にアジるのではなく、お笑いにして、項のさいごにちょいと気のきいた川柳や西洋の格言(?)がそえてあったりする。カッコエエ。
権威も権力もなんも、おかまいなし。うまい言い回しで笑いにのせてしまう。
下ネタもまんさい。品はないけど、粋と興はある。
特に下ぜわなネタについてなんじゃけど、消えゆく庶民の習俗、文化ゆう感じがして、ちょいとさみしい面もある。そおゆうものへの愛が感じられる。
なんべんも読んだところで"布教"を開始し、いまに至る。
たんくさんのヒトに話し、この本の貸し出しをしてきたが、あるときだれに貸したんやらわからんくなって、返ってこんくなった。
大事な教典がなくなったのでは、布教どころではない。
じゃ、もう一冊、と思ったら、絶版になってて入手困難。あせってさがしまくった。
古書店の集まりみたいなホームページの目録で見つけて手に入れたのが、いま持ってる二冊目。
絶版になってるんじゃあ、安易に貸し出せんし、と思いよったら、いつの間にやら再販されてた。それが、東京堂出版の郡司利男著『迷解国語笑辞典』。
初版は2008年で、郡司せんせはすでに故人じゃったんじゃけど、この本をおもしろい、大切な本と思ってくれたヒトがいるので再度リニューアルして出版されたものと思う。うれしいかぎり。
うれしくて、すぐに買(こ)うた。ハードカバーとまではいかなかったが、版も大きくなって、よけいに辞書っぽくなった。
昔の開拓社版は文庫本のコーナーに置いてるが、新しい東京堂出版は、なにげに辞書コーナーの、広辞苑のへりにならべてある・・・。
0 件のコメント:
コメントを投稿