2010年11月15日月曜日

すまーーーとふぉーーん

 うちの中学生(をのこ)の電話が、入院した。メーカー送りっちゅうやつ。

 もともと調子が悪かったらしいが、実害がないため、いままで放っておいたそうな。

 で、ことのはじまりは・・・、自分が設定した暗証番号を、忘れてしまったゆうもの。
 寿限無寿限無(じゅげむじゅげむ)・・・、ゆうくらいのやたら長い暗証番号を設定していたが、めんどーくさくなったので、短いものに変更をかけた。すると、設定したつもりの暗証番号が違う、といわれて、がっちりロックがはずれなくなった。
 よほど見られたくないデータでも入っていたのだろう。だれに、ゆうて家族に。

 ばっかじゃねえの、と笑ってみていたが、いっこうにロックははずれず、しゃれにならんくなってきた。

 最後はあきらめて、えい、と自分でフォーマットをかけてしまった。いわゆる、”工場出荷状態”へ。
 音楽とかのファイルデータは、SDカードに保存してたものの、住所録やメールはパー。

 さらに、もともとあった不具合のために、フォーマット後の再設定ができない。
 windows mobileのスマートホンなんだが、タッチ画面の補正ができず、初期設定がぜんぜんできない。当然、機能はまったく使えない。

 ガキの顔がどんどんくらくなっていき、そのうち電話の話題をしなくなった。

 さすがに笑ってみてられなくなって、自分(わたし)も救出に乗り出した。
 画面の保護フィルムをひっぺがして、”つまようじ”でカーソルをタップすること45分! 目も手も限界、もう許して、っちゅう状態に。これぞ、”画面の補正”ぢごくじゃ。
 万事休す、サポートセンターにかけ込むことになった。

 センターにて。
 手続きを終え、係のお姉さんが代替え機です、ゆうて持ってきた電話は・・・、「キター! ”カワイイ”だ!」。
 思わず口に出してゆうと、お姉さんは苦笑いして、ドウモスミマセンといった。

 代替え機の電話のテーマは、”チョコ”。
 丸っこいストレートで白。それに、マーブルチョコレートのようなまんまるの茶色いボタンが配置されている。

 ひげの生えた中学生が”チョコ”かよ、ひゃっひゃっひゃっ、とおっさんが笑っている横で、ガキんちょは、しばらく黙って、じーっと”チョコ”(電話)をながめていた。

 メールの送受信をやってみ、というと、真剣な顔でいじりはじめた。ただし、「なんーじゃ、こりゃっ」、「めんどーくせっ」を連発しながら。

 「わからん、なんじゃこりゃ。」
 「あっ、メールが6本ある。きたっ!」
 「父さん、メールにエクセル添付したじゃろ、(この電話じゃ)見れんじゃん。」
 「文字入力遅っ、めんどーくせっ」
 「この電話、メールの転送機能がない!」

 メーラーに転送機能がないわけないじゃろ、アホか、と思った(助けたりはしない)。
 はじめて使う電話の操作がわからんのは、あたりまえっちゃーあたりまえだが。そのとき、はっと気づいた。そーかっ!
 ”コイツは、普通の携帯電話を使ったことがないんじゃ”

 ヤツは、本格的に携帯電話を使いはじめたこの2年、ずっとスマートホンだった。

 いわゆる普通の電話は、妹や母親の電話の設定をやったげるときだけ。

 電話のOSは、くさってもwindowsの、windows mobile。ぽちっと画面をタップすると、その場面におうじたメニューが出てくる。あつかえるファイルは、音楽、写真からワード、エクセルまで、なんでもござれ。
 メール打つときは、ばしゃっとqwerty配列のキーボードを出して、ローマ字入力でぽちぽち打っていた。
 学校のレポートを、スマートホンで書いてたこともある。

 階層式のメニューで操作したりとか、数字のキーで日本語入力とか、いわゆる普通の携帯電話の操作は、やったことないのだ。
 いや、やったことはあるし、知識としては知ってるのだが、感覚としての”普通”がずれとるらしい。

 そーかー、スタートがスマートホンだとこうなるのか、おもしろいヤツだ。
 ひじょうに興味深いもんが見れた。いやー、勉強になるなあ。

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