2010年11月2日火曜日

なんにせよ、命をかけてはいけません

 土・日は、通常業務ではなく、イベントの手伝いで駐車場係。

 あさ、しらじらとあけてゆく空をみながら、集合場所へ。
 すいた道路を快調にとばして、西へ西へ。

 かんたんにミーティングをしたあと、こんどはバスにゆられて現場の駐車場へ。

 が、現場についてみると、おしごとは、"駐車場係"、ゆう平和なしろもんじゃながった。

 実態は、時速60kmから80kmで突進してくる、鋼鉄のけだもの(体重約1t)と、オレンジ色の棒きれ一本を武器に戦う、ちゅうエクストリームなスポーツだった。

 駐車場からイベント会場までは、道路をわたらなければならないが、駐車場の前後に横断歩道はまったくなく、歩道縁石の切れめさえない。
 道の制限速度は60km。高速道路状態でぶっとんでくる車をとめて、歩行者を安全にわたさなければならない。

 しかも、必死でオレンジの棒きれをふっても、車はとまるどころか、減速さえしてくれない。
 そおゆう車が、"まま"あるんじゃなくて、"多くがそう"。

 『警察じゃないんだから、車道に出て車を誘導してはいけません』、などと甘えたことをいうとる場合ぢゃない。
 歩行者がわたりはじめたら、なにがなんでも車をとめなければならない。
 こっちが誘導する前に歩行者がすい、とわたりはじめたひにゃあ、最悪である。
 命がけで、歩行者を守らねば、ゆう状態。

 けが人が出そう、ゆうのを一気にとおりこして、"死人が出そう"。

 車道に出て、必死で、ぶんぶん棒をふる。武器がたよりない。
 車、減速しない。そのまま自分(わたし)にむかって、ぶっとんでくる。
 がまんくらべか、根性だめしのように、車道でにらみあう。無謀である。

 (歩行者が)はやくわたりきってくれ、はやく、はやく!、ぢゃないと、わーしーがー、ひーかーれーてー、しーぬー、と心んなかで悲鳴をあげる。

 これ以上、車との距離がつまったら、自分にむかってくる車がスローモーションでみえそう、ゆうところで、っしゃー!、わたりきった!、と歩道にすいとよけると、その前を、やっぱ減速せんままの車が、がおーっ、と通りすぎる。

 これを、えんえんと繰り返す。

 交代して、はなれたところからみよっても、おーあぶねえ、と声が出る。
 減速せんままで、最後の最後にハンドルでよけよったりする。

 軽じゃろうが普通車じゃろうが、どの車もおんなじ。

 どこのおっさんじゃ、いまの運転は、と運転席をみると、おとなしげなお嬢さんだったりする。
 なんなの!?。

 どうもこの路線は、ブレーキをふんではいけないことになっとるらしい。
 それか、ここの道には、"げげげのなんとか"ゆうようなモノノケが住んどって、その妖気にあたった車だか運転手だかは、たけだけしいけだもののような心になってしまうんじゃろうか?

 地元の人に聞くと、「上り(路線)は下り坂になっとるんで、100kmでるねえ。」、とか。
 ふだんは民家も少ないし、道路を横断するような無謀なヒトはいないとのことだった。
 自動車専用道路状態。ようするに、高速道路状態。

 これを二日間やると、駐車場がせまくてパニック、ゆうのも重なって、もう、へろへろ。
 基本的には、ひまな時間が多いのに、いったん車やヒトが動きだしたら、もうアドレナリンがでまくり。
 休憩でイスにすわると、頭がくらくらして、地震で地面がゆれているような感じがした。

 そして日曜の午后3時すぎ、イベントの参加者たちを送りだして、二日間にわたった臨時業務終了。
 まだまだ走りまわってるスタッフをのこして、自分らは撤収。

 けが人も死人も出なくて、ほんと、よかった。
 自分、ひかれんでよがった。

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