取り引き先の兄ちゃんと、市内の設備をいちんちでまわるという、タイムアタックな仕事があった。
施設と施設はやたら離れとって、しかもやたらと数が多い。おりしも台風が近づいとって、天気にもびくびくしながらの、まさにタイムアタック状態だった。総走行距離は90km前後。日がくれるまでにまわりきるかギリ。ただし暴風雨にならにゃあじゃけど。
取り引き先の兄ちゃんも、自分ら先導する側もへろへろになってるお昼前。施設の駐車場のくさりをじゃらじゃら自分がかけてると、50〜60cmほどの至近距離でひなたぼっこしてるヘビと目があった。石垣に差しこまれた塩ビ管から、にょろんと頭が出ている。
日は出ておらず、そぼそぼ雨がふったりやんだりの天気だったが、むしむし暑く、紫外線の気配をほのかに感じる明るさだった。台風が最接近してるはずなのになんじゃろか。
ヘビはたぶんアオダイショウ。"なにしとるん"などと話しかけたのがうざかったのか、ゆっくりずりずりと塩ビ管の中にはいり始めた。見るとすぐへりに、さらにもう一匹ひなたぼっこしている。
と、これを見た自分は、いそいで取り引き先の兄ちゃんのクルマの窓をたたいて、"あのー、仕事に関係ないんすけどヘビがいますよ"と教えたげた。兄ちゃんはホンマですかといそいでクルマから降りてきた。
あーつぎつぎ、つぎんとこ、と仕事であせってたが、目になんかうつると、すぐにそっちで頭がいっぱいになってしまうワシ。おまけにヒトを巻き込む。
トーキョーにヘビがいないわけではないだろうが、すくなくともオフィス街では見んだろう。ちょうど落ちてたヘビの抜けがらを拾ったげると、兄ちゃんはうれしそうに水で洗って、ティッシュに包んでいた。
子どもさんはいくつかしらないが、たぶんよろこんでくれるだろう。ただ、カミさんにはすこぶる叱られると思うんじゃけど。
"どうしても今日中に宝くじ買いたいんですけど、どっか売ってないですか"
よろこんでもらえて、わたしもうれしいです。
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