2011年8月5日金曜日

”銀の匙 Silver Spoon 1 ” 荒川弘(著)

荒川弘(ひろむ)という男は(女性です)、怪物だと思う。

デビューしての初の連載が、"鋼の錬金術師"。
骨ぶとの大河ドラマをろうろうと語って、みごとに完結させた。

それも、ひとりよがりになることなく、エンターテインメントとして、少年(少女も含む)にむけて書いてるんだ、ということを忘れることなく。

おまいは吉川英治か、と思う。

吉川英治でも、デビューでいきなり"宮本武蔵"だったわけではないし、三国史や宮本武蔵書きながら出産や育児はしてないだろう。まあ、男子だからして。

"鋼の錬金術師"のラストは、読者がただただ勝利に酔うことがないように、ていねいに宿題をひろって、ほらっと提示してみせた。たとえすわりが悪くなるとしても、それが彼女の誠実な良心のあらわれだったのだと思う。思います。

で、大ヒットの次がこれ。すごいプレッシャーがあるだろう中で選んだ題材が、農業高校の青春。

あまりに自分に近いもんだと書きにくいだろうし、産業動物についての、一般のヒトとの感覚の差に気い使ってると語っていたのに。 (雑誌"ユリイカ"より)

とりあえず1巻は、ひたすらおもろい。笑える。

ネタ的には、"百姓貴族"そのまんま。中山間の小規模(コキボ)な農業しか知らない人間(わたし)には目からウロコ。

でも、あえて農業を題材にもってきたからには、彼女だからして、当然青少年にむけてのメッセージがあるはず。すごく楽しみ。
題名になっている『銀の匙』、という言葉にも、特別な意味があるはずであるが、あえて(すごいがまんして)、意味を調べていない。おいおい、その意味にふさわしい語り口で説明があると思うので。

意欲(メッセージ)があり、知識があり、それを伝えるテクニックがある。そりゃもお、最強でしょう。

きっと、3.11以後のニッポンにふさわしい、ひびく作品になるものと、確信しております。








"銀の匙 Silver Spoon 1 " 荒川弘( 著)
出版社: 小学館 (2011/7/15)

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