2012年8月24日金曜日

同志!

 スーパーの駐車場で空き待ちでクルマをとめてると、知らないじいしゃんが手を振りながら近づいてきた。
 じいしゃんの顔がえらく真剣だったんで、なんか、やっちまったかと思ってきょろきょろしてしまった。

 「こりゃあ、550の2サイクル(エンジン)か?」

 ヤギひげ、カンカン帽に短パン。えらくおしゃれなじいしゃんだった。

 「はあ、そうですが」と、答えてからっちゅうもの、話がもりあがっちゃってもうたいへん。
 クルマを駐車して2〜30分は立ち話をした。

 じいしゃんは、57年式のを新車で買って、26年間乗ったそうな。
 それも、当時としてもめずらしいキャンバスドア。ドア全部がキャンバス地で、それをはずすと棒きれ一本になるヤツ。

 全塗装で色を4回変えて、最後はめだつ色と思うて黄色にしたとか、テント屋にオーダーでホロを何種類も作ってもらったとか、センターピラーをチョップしたとか、すごいうれしそうに話してくれた。

 最後はなじみのクルマ屋の社長にゆずってほしい、ぜひにと言われ、そろそろ潮時かと思って手放したそうな。

 いまでもそのクルマが走ってるなら、所有者んとこまで見に行きたいと言いよった。懐かしそうゆうよりは、すこし寂しそうだった。

 自分(わし)のクルマは、まえから時々駐車されてんのを見かけてて、ホロが新しくなってるだの、エンジンは大丈夫なんじゃろかなど、興味持って見ててくれてたそうな。

 (このクルマを)大事にせえよ、と何べんも言われた。

 で最後に、「板金に出してやってくれ」。

 そりゃあじいしゃん、悪いけどもう手遅れ。おっしゃるとおりボディはサビだらけ穴だらけなんじゃけど、とっくの昔に板金屋には相談してて、"鉄板の中身がさびてサンドイッチみたいになっと"るから、板金するのは無理、無駄と引導わたされとるんよ。

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