2011年9月9日金曜日

ダイジョウブ デスカ

 よる11時過ぎ。てくてく歩いて帰る、帰り道。
 薄暗いロータリーに、若い女性がしゃがみこんでいた。

 とおくてぼんやりとしか見えなかったが、首ががっくり下をむいとった。

 ロータリーをぐるうと回りながらじいっと見ていたが、がっくり下をむいたままだった。

 心配になったので、そのままぐるっとまわって、「だいじょうぶですか?」と声をかけた。あんまり近づくとびびるだろうと気い使って、少し距離をとったところから言ってみた。

 「はい?」ゆうて首をおこしてこっちを見る反応速度は早くて、目はしっかりしとった。

 「だいじょうぶですか?」

 「部屋のカギなくしたんです。」

 悲しそうな顔をしたお嬢さんは、ほんとに若い娘さんじゃった。ひざの上のバッグをいっしょうけんめい引っかきまわしとった。

 自分は、「ああ、そう」と、ほうけた返事をしてその場を離れた。

 冷たかった、も少し気のきいた言葉でも言やあよかったなと、歩きながら思ったが、具合がわりいわけじゃないゆうてわかったんで、安心した。オトナだからなんとかするじゃろう。

 自分が所帯持ちでなくて若かったら、もっと親身になっとっただろう。スケベごころから。かわいかったし。

 なんにせよ、ご愁傷さま。

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