2012年6月28日木曜日

さんざん

 午前2時になりなんとする国道は、がらんがらんだった。

その1

 にもかかわらず、いちいち信号にひっかかって、ぜんぜんスムーズに進めない。

 信号が青になって発進し、巡航速度になったゆうところで、すこし向うの信号が赤になるのが見える。
 いっこひっかかったら、ぜんぶかかるんかいなと思うぐらいだった。

 赤信号を、ていねいに拾って歩いてる気分だった。

その2

 国道に出てすぐに自分の後ろについたトラックが、やる気まんまん。べったりへばりついている。車内がべかべかとトラックのヘッドライトで照らされる。

 なんどか信号で止まってゴーを繰り返してるうちに、ついに切れたらしくて、パーパーとクラクションを鳴らしはじめた。

 たしかにクルマはボロで発進が遅いが、制限速度で走っとんのは、先の信号が赤になっとんのが見えるからである。

 で、次の信号で止まったときに、後ろでバシャッとドアの開く音がした。
 「あらまあ、来たでよ」と思っとったら、助手席側の窓から金髪のおっさんが顔出した。

 「わりゃ、はよ行けいや。どりゃ。」
 「ほなら抜かしゃあええじゃないですか」

 言いあいしとるうちに信号が青に変わり、トラックの後ろにいたシャコタンのセダンが、左折専用車線にはり出して左から抜いてった。
 それを見たおっさんがトラックに戻ってったんで、自分は発進した。

 金髪のおいさんはえらい勢いだったが、なんでかそれからは車間をとっておとなしく走り出した。

 そのうち自分は右折してトラックと分かれた。別れぎわにも、とくに"あいさつ"はなかった。

 なんじゃ?

その3

 国道をはずれて、いよいよ家が近くなった。信号はみんな点滅している。

 と、市道どうしの交差点の信号が生きとった。

 ここ(の信号)は夜でも死なんのじゃ、と思いながら交差点をゆっくり右折した。

 曲がり終わってミラーを見ると、車間ゼロでクルマがはりついとった。信号無視で交差点に直進で入ってきたクルマだった。

 深夜になると、いろんなクルマがおんな。疲れとるゆうのもあるか。

0 件のコメント:

コメントを投稿