午前2時になりなんとする国道は、がらんがらんだった。
その1
にもかかわらず、いちいち信号にひっかかって、ぜんぜんスムーズに進めない。
信号が青になって発進し、巡航速度になったゆうところで、すこし向うの信号が赤になるのが見える。
いっこひっかかったら、ぜんぶかかるんかいなと思うぐらいだった。
赤信号を、ていねいに拾って歩いてる気分だった。
その2
国道に出てすぐに自分の後ろについたトラックが、やる気まんまん。べったりへばりついている。車内がべかべかとトラックのヘッドライトで照らされる。
なんどか信号で止まってゴーを繰り返してるうちに、ついに切れたらしくて、パーパーとクラクションを鳴らしはじめた。
たしかにクルマはボロで発進が遅いが、制限速度で走っとんのは、先の信号が赤になっとんのが見えるからである。
で、次の信号で止まったときに、後ろでバシャッとドアの開く音がした。
「あらまあ、来たでよ」と思っとったら、助手席側の窓から金髪のおっさんが顔出した。
「わりゃ、はよ行けいや。どりゃ。」
「ほなら抜かしゃあええじゃないですか」
言いあいしとるうちに信号が青に変わり、トラックの後ろにいたシャコタンのセダンが、左折専用車線にはり出して左から抜いてった。
それを見たおっさんがトラックに戻ってったんで、自分は発進した。
金髪のおいさんはえらい勢いだったが、なんでかそれからは車間をとっておとなしく走り出した。
そのうち自分は右折してトラックと分かれた。別れぎわにも、とくに"あいさつ"はなかった。
なんじゃ?
その3
国道をはずれて、いよいよ家が近くなった。信号はみんな点滅している。
と、市道どうしの交差点の信号が生きとった。
ここ(の信号)は夜でも死なんのじゃ、と思いながら交差点をゆっくり右折した。
曲がり終わってミラーを見ると、車間ゼロでクルマがはりついとった。信号無視で交差点に直進で入ってきたクルマだった。
深夜になると、いろんなクルマがおんな。疲れとるゆうのもあるか。
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